女「・・・随分楽しそうね」
男「お、女さん!おはヨーグルトー。」
女「・・・おはよう」
やっぱこれだよな。ちょっとやそっとじゃ笑ってくれない所が俺の体質に合ってる。
男「女さん、女さん!ほら、小山ゆ~えんちぃ~」
女「・・・やめなさい。女性に鼻の穴を見せるものじゃないわ。」
こんなもので笑うとは流石に考えていなかったが、予想以上に反応が悪い。いい年したおっさんが母親の事をママって呼ぶ所を見かけた女子中学生の目付きに近い。
笑子「あ、え?女さんだよね?男と仲良いの?」
男「私と女さんの関係ですか?い
い質問ですねぇ。俺と女さんズバリ付きあって
女「仲良くもないし、付きあってなんかいないわ」
男「・・・え?」
聞き間違い。そうであってほしい。
男「は、はは。すまんすまん。確かにまだ、付きあってはいない。だが、最近仲良くなった友達だ」
女「友達なんかじゃない!」
女さんの声で、ざわついていたホームルーム前の廊下が静まりかえる。
男「・・・友達とすら認めてくれないのかい?」
女「・・・貴方には沢山友達がいるじゃない!私となんて仲良くする必要ないじゃない!」
どうしてだ?どうしてそう考える?どうして女さんはそんなにも卑屈なんだよ。
男「俺は女さんが好きなんだ。だから俺には君が必要だ。」
女「わ、私は嫌いよ!」
男「!」
そういうと、彼女は自分の教室に入って行った。廊下にいる同級生の視線を全身に感じる。でも、俺は指一本動かすことができなかった。
俺は女さん嫌われている。
そんな単純な事実だけで、俺の身体は止まってしまうんだ。
笑子「お、男?きょ、教室に入らない?そろそら先生くるかもよー?」
友「なんだよあいつ!最低だな!」