今年中には、この問題に決着をつけたかったんだ。
ドッペルゲンガーと元恋人が共にクリスマスを過ごしたり
新年を迎えたりすることなんて、考えたくもなかったからね。
その頃になると、殺害方法は既に決まっていて、
ドッペルゲンガーの行動様式も大体把握して、
実を言うと、とっくに行動に移っても良い頃合だったんだ。
それでも僕がだらだらと尾行を続けていたのは、
多分、踏ん切りがつかなかったからと思う。
つまり僕は、彼が欠点を晒してくれるのを待っていたんだな。
僕は、彼が死ぬべき人間だって思い込みたかったんだ。
殺すに値する理由が、ほんの少しでも欲しかったんだよ。
困ったことに、数か月に渡ってあら探しを続けても、
彼は短所らしい短所をまったく見せないでいた。
どっちかと言うと、僕の方が死ぬべき人間なんだろうな。
妹と図書館に行ってきた時に借りた本によると、
ドッペルゲンガーには、以下のような特徴があるらしい。
・周囲の人間と会話をしない。
・本人に関係のある場所に出現する。
・ドッペルゲンガーに出会った本人は死んでしまい、
ドッペルゲンガーがオリジナルになってしまう。
ちょっと考えればわかることだけど、これらの特徴、
どちらかというと全て、僕の方に当てはまるんだよな。
友人のいない僕はめったに人と会話しないし、
同じ大学に通う僕らは出現場所が似ているし、
死ぬとしたら彼の方だし(僕が殺すからね)、
向こうの方が見た目も中身も一周目の僕に近い。