遅刻したりせず、
部屋も綺麗だし料理も作ってくれていた。
献身的な彼女に惚れていって
俺は、彼女と一緒に住みたいと思ったんだ。
それが蓋を開けたら…
おそらく一人暮らししてる弟の方が、
まだまともに生活をしてるというくらい酷かった。
一人暮らしの時にはできていたのだから、
薬に頼らなくても、と…
それと隠されていた事も
かなりショックだった。
俺のこのような混乱を見越して、
彼女は言わなかったのだろうか。
信頼されてなかったということなんだろな。
俺は、仕事中いろいろと考えを巡らせていた。
俺は新人の頃、
人事部に所属しており、
担当ではなかったが
定期的に出る、休職者担当の仕事を横目で見ていた。
休職者は正直、会社の損害でしかなく、
周りも組織も迷惑するだけの存在だった…
障がい者採用もして、
助成金の申請などしていたが
知的・身体障がい者枠で採用された方の方が、よほどきちんと仕事をしていた。
彼女の同棲当初の姿は本当に酷く、
鬱での休職者と重なる部分が多いにあった。
自分のスペックを認識できずに、会社に居続ける。
出来ないなら辞めればいいのに居座り続ける。
仕事においてもそうだ。
上司の言葉は一貫して居て、
とにかく責任感と当事者意識がないんだよな。
できなければできないと言えばいい。
それすらできずに、
出来ない仕事を抱えて
取引先にも会社にも迷惑をかけて繰り返す…
彼女の姿もまさに一緒だった。
出来ないことはいいけれど、
それを自覚もせず俺が悲しむこと
憤ることを平気でやる。