【※中学生のび太※】ドラえもん「道具を使って本気で戦いたいだって?」 アニメでは決して放送できない幻の秘話がココに・・・

――――――次の瞬間、教室が悲鳴と怒号に包まれた
今、その時まで威勢よく逃げようとしていた生徒が死んだのだ

逃げられない…

焼け焦げた死臭が部屋中に漂いはじめると同時に
絶望と狂気が次第に大きく渦を巻き始めた…

ドラえもんの攻撃はこれまでとは明らかに『異質』なものであった
それはタイムパトロールの介入を怖れず、無関係の人々にまで危害を加えたという点である

のび太〈この攻撃には、明確な『殺意』がある…〉

のび太を殺す為なら誰が巻き込まれてもかまわないという『殺意』……
ドラえもんは無差別テロを起こすつもりで攻撃してきたのだ

のび太〈…思えば、何人殺そうが『タイムマシン』さえ修理すれば後で不都合な歴史を修正出来るし、過去のドラえもん自身と協力して僕を『生け捕り』にする事だって出来る……!!〉

のび太〈不都合な歴史を修正する意志が伴っていれば……これらの出来事は全て改変可能の『過程』として扱われタイムパトロールが介入する理由も無くなる、という事か………〉

のび太〈ドラえもんめ……裏山の失敗から色々悟った様だな……やはり戦いは避けられない…………〉

のび太〈ふぅ……〉

のび太は鬱憤を晴らすように
教室の床を思い切り殴った

バゴォン!!

大きな物音に驚いたのか
静まり返り困惑を見せる生徒達…

のび太〈脱出用の穴を空けたんだけど……やりすぎちゃったか……〉

『スーパー手袋』着用済みである
床に大きな穴が開いてしまった
期待と偏見がはらんだ生徒達の異様な視線がのび太に集まる…

のび太「何だい何だいその腫れ物を触るような感じは!身勝手な奴らだね全く!」

――――ピンポンパンポーン…


気まずい沈黙
堰を切ったのは校内放送である

校内放送「諸君、楽しんでいただけているかな?」

ドラえもんでは無く、男の声であった

校内放送「87名」

のび太「…?」

校内放送「教室から脱出を試みた不届き者だ。全く…ここの教育の程度が伺えるな」

校内放送「『ルームガードセット』と言ってね。私はこの学校を掌握している」

ルームガードセット
建物に設置すればドアロックや監視カメラを好きなように配置できる
先程ドアを開けようとした生徒を襲った電撃もそれである

のび太〈ドラえもんの奴、もう町の誰かを仲間に引き込んだのか?〉

校内放送「今日からこの学校は私の居城とする。あなたがたには即刻退去願いたいのだが…」

校内放送「しかし、出入り口付近は浸水させてあるので外へ出るのは不可能だ」

校内放送「この摩訶不思議な状況を門外に触れ込まれてみろ、軍隊を呼ばれかねないからな」

退去願いたいのに学校から出るな
この矛盾した意見が示す相手の主張はつまり…

校内放送「余興がてら…皆で殺し合いをしてもらおうか」

生徒達「!?」

校内放送「どの道、教室から出ることは出来ないのだ。今、この間にも校舎は高度を上げている」

校内放送「タイムリミットは、そうだな…各々方の教室で天体観測が出来るようになるまで、というのはどうかね」

校内放送「最後の一名に残ることが出来たら出してやらんでもないぞ、ふはははは…」

校内放送「どのみち人は死ぬんだ。存分に楽しみたまえよ!」

―――ぷつん

放送が終わると同時に
のび太は静香の手を掴むと、先程空けた床の穴に飛び込んだ―――

のび太「冗談じゃあないよ…暴動に巻き込まれるのはごめんだ!」

しずか「でも…みんなが…」

のび太「さっきの身勝手な奴らを見ただろう!?何とかなると思う!?」

パチン!

静香はのび太の頬を思いっきりひっぱたいた

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