【※中学生のび太※】ドラえもん「道具を使って本気で戦いたいだって?」 アニメでは決して放送できない幻の秘話がココに・・・

のび太「……みんな何をしているんだ?窓の外なんか見ちゃってさ」

別のクラスメイトが大きな音をたててなだれ込んだというのに
生徒達は何やら別の事でどよめいている様子である

しずか「それが…外の様子がおかしいのよ」

のび太「外?ああ、ぐるぐる回っているね…」

ドラえもんの道具による攻撃
恐らく、廊下がうごめいている影響だろう…

しずか「回っている?そろどころじゃないわ。下の建物が…」

のび太「下の建物?」

のび太は身を乗り出し
窓の外を覗き込んだ…――――――

のび太「――――――…」

しずか「のび太さん、大丈夫?」

のび太は絶句し、みるみるうちに青ざめていった…

教室は既に
高層ビルの屋上が見えなくなるほどの高度に達していたのだ

のび太「し、下の建物だって…?冗談じゃあない…雲しか見えないじゃないか…!」

のび太〈…いや…これは秘密道具の攻撃なんだ…考えるんだ…〉

しずか「のび太さん…?」

この状況…
学校がロケットのように打ち上げられたのかと思ったがそうではない

窓の外は雲一色でわかりにくいが
下を覗いて見ると校舎の壁が地上まで続いている様子である

教室の高度、廊下の異常な変化…

のび太「まだ直接攻撃されたわけじゃあない…これは僕を閉じ込めておく道具…」

今度こそ、逃がさない為の作戦であろう
ドラえもんの道具には建物の構造を変えてしまうものがいくつかある

のび太「建物の位置がそのままなら…使っている道具は三つ…」

1、建物が回転する道具
2、建物の高度を自由に変化させる道具
3、建物の内部を複雑に変えてしまう道具


のび太「不意打ちで戸惑ったけど…大した道具じゃあない、タネがわかればいくらでも対処できる」

のび太〈かと言って取り寄せバッグで相手の道具を奪うのは危険だ……体ごと向こうに引きずり込むのが狙いかもしれない…〉

のび太「ここはまず、みんなの避難路を確保しよう!」

無生物催眠メガホン
これを向けて命令するとあらゆる無生物に催眠をかける事が出来る

のび太は教室の窓にメガホンを向けた

のび太「『ここは校舎一階の窓だ!』」

のび太「窓に催眠をかけたよ!これでこの窓を飛び出せば一階の外に出る!急ごう!」

クラスメイトにそう呼びかけ、のび太は窓を開けた

――――――ズドドドドドドドォ!!

生徒達「うわあああああああああああああああああ」

窓の外から猛烈な勢いで水が押し寄せる!

のび太「ブフォ!?何だこれ!濁ってるぞ!?」

しずか「のび太さん!!はやく閉めて!このままだと教室が!」

のび太「いや!駄目だ閉まらない!水圧で窓ガラスがッ!!」

他の窓ガラスをも突き破り
教室が一気に浸水していく…!

のび太「『ここは校舎10階の窓ッ!!』」

メガホンにむかって必死に叫ぶのび太

――――――……

のび太「ハァー…ハァー…」

のび太「止まった……」

教室は無残なものだった

流れてきた水のかさは腰のあたりまで達しており
生徒の中にはガラス片に突き刺さり、重傷の者までいた

のび太「み…みんな…」

「オイてめぇ!どういうつもりだ!!」

生徒の一人がのび太の胸倉を掴む

生徒A「普通に廊下に出て逃げりゃあ良かったんじゃあねぇのか!!」

生徒B「そうだそうだ!余計な事してるんじゃねぇ!」

しずか「みんな違うわ!のび太さんは…!」

生徒に続き、次々とのび太に対する野次が飛び交う

のび太〈こ…このわからずや共…僕はその廊下から来たというのに…!〉

廊下は恐らく来た時よりも複雑になっているに違いない…
クラス全員無事に逃げられる保障はゼロと言ってもいいくらいだ

薄情な生徒の野次に対し
のび太はあくまで平常心を保った

そう、これも敵の作戦の内だ
自分に対しての信用を無くす間接的な攻撃なのだ

そう自身に言い聞かせる事によってなんとか怒りを静めた

のび太〈それにしても…一階は浸水しているのか?町はどうなっているんだ?〉

自身の道具に過信していると足元をすくわれる可能性がある
持っている道具を看破されるだけであっという間に逆転されてしまう可能性が出来る
先刻、ドラえもんがそうだったように…

だがのび太は戦慄した
裏山の出来事からわずかに時を刻んだだけである

のび太「たったあれだけのドジから学んだのか…!?……これが『ドラえもん』……!」

ウソ8OOのような無敵には程遠い地味な道具だが
選択肢をひとつずつ確実に減らし、ジワジワと追い詰めてくる
一回凌いだところで、それが決定打にはならない

のび太〈『仲間』?『裏切り』?それ以前の問題じゃあないか…!〉

――――――――――――『現実』

想像よりも、大きな壁が眼前を憚っていた

生徒C「じょーだんじゃねぇぜ!今日の学校はおかしい!みんな帰ろうぜ!」

生徒D「センコーも来ねぇしな!」

生徒達「そうしようぜ!」

のび太「だ…だめだ…廊下に出ちゃあ…」

生徒A「あ?おめぇさっき何したよ?俺達逃げられたかよ?解決できてねーじゃねーか!」

生徒B「おいそんな奴ほっといて行こうぜ!」

生徒達はのび太の静止を振り切り、教室のドアに手をかける…

「――――――ウワアアアアア!!」

他の生徒「!?」

教室のドアに手をかけた生徒達がその場に崩れおちる

クラスメイトの一人が恐る恐る倒れた生徒に駆け寄った…

生徒「し…心臓が…止まってるや…はは……」

「いやああああああああああああああああああああああ!!」

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