「俺の事憎んでる?」
「恨んでませんよ」
質問はあまりにも卑怯だった
こう言われると恨んでないって言うしかないよな
「ただ…なんで本当の事を言ってくれなかったんだろうってずっと思ってました…」
「怖かったんだ…嫌われるのが…」
俺は彼女の顔を見る事ができなかった
「嫌いになりませんよ…1さんの事がもっと知れるんですから」
「えっ…」
思わず彼女を見る
「私あの時は本当に好きだったんです」
「でも何もかも謎で喋らないし…自分の事あまり教えてくれないし…」
「ごめん」
「いえいえ謝らないで下さい」
それから少しの間沈黙が続いた…
すると彼女が…
「実は私あの時父から暴力を受けてたんです」
俺は唖然とした
「私、クラスのみんなからも嫌われてて…」
彼女の声が震えているのが分かった…
「家に帰ると父から殴られるし…」
彼女から片親だって事は聞いていた