女「え……? それは、何故?」
男「だって、小学校に入るくらいまではそんなことなかったんだけど、その頃からずっと父親はどこかに赴任してばかりで、母親もついていってたから」
女「…………」
男「ほとんど会えないんだよ。 つまり、放任主義ここに極まり、って感じかもしれない」
女「そう、だったの」
男「だから、俺がこうやって育ったのは……多分、姉ちゃんのおかげ」
女「……確かに、あのお姉さんに育てられれば、真っ直ぐの良い子に育ちそう」
男「あぁ、俺もそう思う。 何しろ、俺が実際そうだし」
女「ふふふ……まぁ、その辺に関しては、敢えて何も言わないでおくわ」
男「……?」
女「自覚がないのならいいわ。 じゃあ、私達も朝ごはんの準備を手伝いましょう?」
男「あっ、おい……! ったく、結局何が言いたかったんだ……?」
姉「にぃに! 女さんが手伝ってくれているのに、にぃにがサボるとはどういう了見なのかなっ!?」
男「はいはい、分かった分かった。 手伝えばいいんでしょ……」