男(『メリーさんの電話』では、最後メリーさんは主人の背後まで近づき、振り返ったところを惨殺する)
男(……なら、その主人が、最後のメリーさんからの電話をとらず、そのまま遠くへ逃げてしまったら、メリーさんはどうなるのだろう?)
男(……俺が、思ったのは、こういうことだ)
男(奴は、一日単位でじわじわと、俺の場所へと近づいている)
男(なら……奴が完全に、俺のいる場所……学校や、俺の家に存在することができるようになってから、一日逃げ切れば……奴はどうなる?)
男(あくまでこれは仮説の一つ……いや、希望の一つでしかない)
男(だが、こうとでも思っておかないと、気が狂いそうだ)
男(……たった、一日。たった一日逃げ切れば、俺は解放される)
男(永遠に逃げ続けなければならないとわかれば……そのときは、そのときだ)
男(今は、今日を逃げ切ることを考えよう)
1行でまとめると、
「学校で目撃情報があってから丸一日逃げ切ればいいんじゃね」
ということです
【部室】
男「こんにちはー」
白衣「………………」
男「……あれ、白衣だけか。お疲れ」
白衣「………………」
男「部長とか、後輩は?」
白衣「……………さぁ」
男「そっか………」
男(結局、今日は俺の目撃情報は耳にしなかった)
男(奴の存在を自分の中でほぼ確定させている俺にとっては、それは情報の不足でしかない)
男(最後の綱は、部長か、後輩か……)
男(…………ま、今うだうだしてても意味無いか)