男「……すぐ戻るから、待ってろ」
後輩「あっ、先輩!!」
女「後輩ちゃん!」ガシッ
後輩「………っ!」
女「……男くんを、信じよう」
女「男くんは、黙っていることはあっても、嘘だけは絶対につかない」
後輩「………………」
女「男くんがすぐ戻るって言ったなら、それは絶対だよ。男くんは絶対に戻ってきてくれる」
後輩「………………」
女「……だから」
後輩「うっせぇんですよ……」
女「………?」
後輩「うっせぇんですよ!!彼女だからって調子乗りやがって!!」
後輩「女先輩にはわかんないでしょうね!!好きな人が辛い顔をしているのに、ただ黙って見ているしかできない人の気持ちは!!」
後輩「ほんの少し先輩よりも遅く生まれたせいで!!ほんの少し先輩と出会うのが遅かったせいで!!私には側にいる権利すらも与えてはもらえない!!」
後輩「こんなのが納得できるわけありますか!?こんな理不尽に、女先輩だったら耐えられますか!?ねぇ!!」
女「…………わかんないよ、そんなの」
後輩「………っ…」
女「……私は男にちゃんと選んでもらえたし、男からちゃんと抱えてるものを打ち明けてもらった。後輩ちゃんの抱える不安なんて、わかるはずもない」
後輩「………………」
女「でも……これだけは言えるよ」
女「男くんは、君の抱えるそれ以上の不安と重圧に押し潰されそうになりながら戦っている」
後輩「…………!」
女「……自分の不運を喚く前に、することがあるんじゃないの。本当に、男くんのことが好きならさ」
後輩「………ぁ、ぁ…………」
後輩「………ぁぁぁああああああ!!!」
女「男くん……私だって不安なんだよ……」
女「君は……一体何と戦っているの……?」