「今、入院しています。○○病院のどこどこ。良かったら会いにきてね、わたしのファンさん」みたいなメールが来ていた。
卒倒しそうになった。
驚きと同時に怒りも湧いた。
すべてを話してくれたと思ったのに…どうして黙っていたんだろう。
俺は大学をさぼってすぐに会いに行った。必死だった。
俺「どうしたの?すごく心配してたんですよ!!」
「若年性の卵巣がん。」
彼女はニコッと笑って俺が着くやいなやそう言い放った。
俺はことの重大さにすぐ気付いた。
俺はばあちゃんを卵巣がんで亡くしてる。
進行性のとても早い癌として知られていて、ばあちゃんもものの半年で…
だったのを思い出した。
彼女は変わり果てた姿でそこにいた。ニット帽をかぶって、やせ細っていて…
彼女「本当はねえ。手術終わるまでは黙ってようって思ってたんだ」
彼女「でもやっぱり直前になって怖くなっちゃった。」
彼女は笑った。
笑顔だけは変わらずそこにあったので、なんだか俺のほうが安心して、悲しくなって、涙目になってしまった。
しっかりしなくてはいけない。
強く、一人で頑張っていたんだろうな…
きっと俺と初めて会った時から、このことで悩んでいた…
そう思うと本当に泣きそうになった。