いつも早くのぼりきりたい坂道が、彼女といると永遠に続けとさえ思った。
振り返ると、空はとっぷり暮れていて、月があった。
彼女は「三日月さんが逆さになってしまった!」と叫んだ。
俺「今日も、楽しかったねー」
彼女「うん、昨日もだけど、すっごいすっごい楽しいよ。」
そういって道を進んで行って、とうとう我が家に着く。
これで、今日も終わってしまう。
楽しい時間なんて、すぐに終わってしまう。
家に着くと、昨日とは変わって母さん一人が
夕飯の支度をしていた。
俺「ただいま」
彼女「お邪魔します」
母「はいおかえりー」
歌いすぎた俺たちは些か声が枯れ気味だった。
妹は、俺たちが帰ってくるなり部屋からとびだしてきた。