男「それでは、お願いします!」パチン
指パッチンの合図で教室のドアが開き、用務員のおじさんが入ってきた。
用務員「・・・で、どの蛍光灯かえんの?」
女「・・・男君、その人は?」
男「え?忘れちゃった?こいつは用務員のおじさんだよ。ほら、アジアのパピヨンズ!」
用務員のおじさんに向かってウインクをする。また組めて嬉しいよ。
女「・・・前と違くない?」
男「え?そんなわけ!」
勝手に蛍光灯を変え始めている用務員のおじさんの顔を良くみると、確かに前の用務員のおじさんとは別人だった。
用務員「・・・」
黙々と蛍光灯を変える用務員のおじさんを二人で眺めて居た。
用務員「・・・出来たかな?」
男「あ、どーも。」
用務員「じゃ、戻るから」
スタスタと教室を出て行く用務員のおじさんをぼんやりと見送る。
女「蛍光灯、変える必要あったのかしら?」
男「・・・く、くくく」
女さんの一言で、俺は笑ってしまった。
男「だ、誰だよ今の人!アハハハ!」
女「指パッチン合図に入ってくるって変でしょ。アハハハ、お、お腹痛い」
男「出てきたかな?って何で疑問系なんだよ。くくくく、アハハ」
女「涙出てきた。あーくるし~。アハハ!」
俺達は誰も居ない教室で、笑い続けていた。女さんと二人で同じ事で笑い合える。こんなに嬉しくて幸せな奇跡は他にないってそう思う。