昼休みになり、つい癖で隣の教室に行きそうになり、慌てて屋上に向かう。
男「・・・ぼっち飯ナウ」
昔から人前で飯を食べる事が少し苦手で、高校に入ってからはこうして青空ぼっち飯を満喫していた。
男「・・・ふぅ。」
弁当を平らげると、その場に寝そべる。白い雲をぼーっと眺めているだけで心が穏やかになっていくのを感じる。
男「言うほど俺、友達いないんだよ」
キィィィ
誰かが屋上のドアを開ける音がした。
笑子「あ、やっぱりここにいる!」
男「・・・」
笑子「隣、いい?」
俺の返事も待たずに隣に寝そべる。
男「お嬢様、お召し物が汚れますよ?」
笑子「あらやだわ!セバスチャン、あとでクリーニングに出しておくように!いいわね?」
男「承知いたしました。後で執事に言いつけておきます」
笑子「あんたは何者よ!・・・あははは、なつかしー!」
男「子供の頃良くやったよな、お嬢様ごっこ。俺は一度もお嬢様をやらしてもらえなかった」
笑子「あはは、やりたかったんだぁ?・・・わー!空が近いんだね」
男「・・・」
笑子「好きだったんだね、女さんの事が」
男「・・・うん」
笑子「そっかぁ。そうなんだね」
それきり笑子は何も言わず、空を眺めていた。昔からこういう時そばにいるのは大抵イヌのタロか笑子だった。