放課後
友「なあ、男。」
男「ん?」
友「頼みがある。」
いつもヘラヘラしている友の真面目を顔は久しぶりに見た気がする。きっと重要な話に違いない
男「あーそれ無理だわ。すまん。」
友「まだ話てねぇから!」
男「何だよ。言うても大体無理だぜ?」
友「いいから!あ、あのさ、今日カラオケいかね?」
カラオケ、ねぇ?声を出せば少しは気分が良くなるかもしれない。
男「いいよ。行こうぜ」
友「そ、それでさ!笑子ちゃんも誘ってくれないかな?頼む!」
男「笑子?あー、いいっすよ。」
友「マジで!ありがとう!じゃ、あとで校門で待ち合わせな!」
男「あいよ」
教科書を鞄に詰め込み、帰り支度を済ませるとまだ教室でくっちゃべっている笑子に近づく。
男「笑子、これからカラオケ行かないか?」
笑子「え?カラオケ!いくいく!」
笑子は高速で鞄に荷物を詰め込みながら友達に手を振りつつ席を立つ。
男「何つー雑な女なんだお前は。」
笑子「え?だってカラオケだよ?カラオケ!」
男「ながら行動は慎しみなさい。育ちの悪さがばれましてよ?」
校門では友が屈伸運動をしていた。軽く汗をかいている所を見ると、長い時間やっているようだ。何とも声を掛け辛い。
笑子「と、友君?」
友「や、やあ!笑子ちゃん。」
笑子に声をかけられた友は棒立ちになると固まってしまった。全くてんで情けない男だな。
男「いくぞ、カラオケ」
友「お、おう!」
笑子「なによ、友君もくるの?」
笑子が耳打ちしてきた。
男「言わなかった?」
笑子「聞いてないー!先に言ってよね!」
男「いいだろ別に。多い方が楽しいじゃねーか」
笑子「心構えってのがあるでしょ!」
男「なーに緊張してんだよ。大丈夫大丈夫。お前歌上手いしな」
笑子「そういう問題じゃないの!」