職員室
職員室に入ると、すぐに数学教師の元に走った。数学教師は優雅にコーヒーをすすっている。
男「先生!お願いがあります!」
数学教師「ん?君は2組の男君だね。どうかしましたか?」
数学教師は椅子を回転させ俺に向き合った。温和そうな笑みを浮かべ右手でずれた眼鏡を直した。
男「はい。あの、実は悩みがあって、先生ならきっと解決してくれると考えて来ました」
数学教師「悩み、ですか。なるほど、どうしましょうか。ここは沢山の人がいるので何処か空いている部屋にでも行きますか?」
この人は人の話をキチンと聞いてくれる人だ。きっとどんな悩みでも親身になって聞いてくれる。何も心配する必要はない、そう思わせてくれる先生だ。
男「いえ!ここで大丈夫です。」
数学教師「そうですか。どんな悩みですか?」
男「俺、昔から人を笑わせる事が好きで、得意だったんです」
数学教師「・・・ふむ。」
男「いつだってくだらない事をして、周囲の人間を爆笑の渦に」
数学教師「男君、話の途中で悪いのですが、その話は悩みと関係あるのですか?」
男「あります!」
数学教師「・・・そうですか。申し訳ありません。続けて下さい」
男「はい。基本的に、俺は体で笑いを取るタイプでした。腹を出したり、尻をだしたり、変顔したり。そういう体を張った一発芸的な笑いが俺の専門分野でした。」
数学教師「・・・なるほど。続けて」