男「!?」ポチッ
男「……」
友「よっす。1年ぶりくらいか。元気だったか?」
男「まあ、ほどほどにね」
友「女ちゃんはまだ……?」
男「目が覚めないね」
友「大学生活もそろそろ終わっちまうよ」
男「そのまま院に行くんじゃなかったっけ?」
友「やめちった。卒業したら病院に勤めることにしたよ」
男「……そっか」
友「お前は?」
男「僕は先生の元でもうちょっと勉強するかな」
友「女ちゃんのためか?」
男「……」
友「一つだけ言っとくけどな、誰かのために自分の人生を費やしてもろくなことにならない」
男「……違うよ」
男「あの子のためじゃないし、他の誰のためでもない。僕 のためだ」
友「……ならいい。こんなこと言ったけどお前のそういうところ好きだよ」
男「ありがと」
男「この間の……はい、先生のお時間がある時に確認していただけますか?」
男「……はい、研究論文についてもう少し踏み込んだものを……」
男「すみません。どうしてもこの研究じゃないと……」
男「……もしもし、○○先生からご紹介いただいた男と申します」
男「今回の研究についてご意見をいただけないでしょ うか?」
男「……申し訳ありません。出直してきます」
友「少しやつれたな。女ちゃんが起きた時お前がそんなんだったら悲しむぞ」
男「ん……ありがとう。……うまくいかないんだよね……」
友「うちの病院の繋がりでまた紹介出来そうな人いたから話しといたぞ」
男「本当に助かるよ。今日は僕が払うよ」
友「いやいや、俺社会人だし甘えとけ。他に使い道ないしな」
男「友、本当にありがとう。友の紹介してくれた人から専門の先 生に紹介してもらえたんだ!」
友「あー、俺は数人紹介しただけだよ。そっから先はお前が頑張ったんだろ? 聞いてるよ」
男「でも、ありがとう。感謝してる」
女「……」
女「……あー」
女「髪随分伸びたかな?体も大分スリムになって……なりすぎかな」
女「……やっぱりいないよね」
女「ねえ、お母さん。髪整えてもらえる?」
ハイハイ チョキチョキ
女「……男って覚えてる?」