女「……ありがと」
男「あとは、これだね」
女「これ……色紙?」
男「うん、1年の時のクラスのみんなで書いたんだ。
ちなみに僕はど真ん中の愛してるってやつだね」
女「……みんな、ありがとう」
男「みんなクラスとか変わっちゃってたけど友ががんばってくれてね」
女「あなたもでしょ?」
男「僕は夫だから」
女「お友達で」
男「あと、僕からはこれも」
女「…花」
男「花畑には連れて行けないって言われたからせめて花束だけでもね」
女「…ガーベラかな?」
男「よく知ってるね、最初はバラにしようと思ったけどだめだって」
女「トゲのある花はお見舞いには向かないの」
男「残念」
女「ありがとう、今日も今までも」
男「昨日のなぞなぞの答えは分かったかな?」
女「……言わないよ」
男「恥ずかしがらずに言っちゃおう!」
女「私ね……」
女「また、しばらく眠るみたい。次は起きないかもしれないって言われたよ」
男「……」
女「だからなぞなぞの答えは言えないよ」
男「……」
女「……」
男「……それでもいいよ」
女「だめだよ」
男「君が起きた時に……いや、起きてなくてもずっとそばにいるよ」
女「……だめ」グスッ
男「だめでもいるよ」
女「……もう来ないでね」
男「来ちゃうけどね」
女「ほら、あれだよ。あなたがくるとお母さんとお父さん
にやにやしながらどっか行っちゃうし」
男「四人で家族団欒したいね」
女「一人多いかな」
女「……ん、ちょっと眠いかも」
男「今だから言えるけど僕は君が好きだよ」
女「うん……前にも、聞いたかな」
男「だから、君が眠っても僕は」
女「ねえ」
男「なに?」
女「……他に、好きな……人見つけ……」