「あなたは誰なんですか?」と訊くわけにもいかず、
無理やりメシを詰め込む俺。
誰も食わない五人目のメシは
どうも陰膳のようなものらしかった。
○んだ人のうち誰のぶんなのかはわからずじまいだった。
食べ終わってお茶を一杯もらい
俺は「腹が急に痛くなった」と
みえみえの嘘をついて帰らせてもらうことにした。
彼女を連れて帰るのはなんか怖かったからやめた。
知らんおっさんは
「おなかが痛いのはよくないですねえ」
「重大な病気かもしれませんね」
「よくないですねえ」ってずーっと言ってた。
よっぽど重大な病気であって欲しいらしいな!と思ったが
不気味だったから何も言いかえさずにおいた。
急に外でパン、パンと二回音がしたから
「祭りの花火ですか?」と言うと
「何も聞こえませんよ!!」と母親に怒鳴られた。