確か昨日だった。俺はあいつと会った。引っ越してきたらしい。
俺は声をかけた。
男「お?久しぶりじゃん。幼馴染だよな?」
幼馴染「…」
おかしい。違和感の原因を突き止めるのはそう難しくなかった。
男「…?どうした?」
人違いか?いや…そんな筈は…でもひょっとしたら…
幼馴染「…」
なんだ人違いか。自分を無理矢理納得させて、アパートの自分の部屋に戻ろうとした。
男「すみません、人違いでした」
幼馴染「アンタ、男でしょ?」
足が止まった
男「なんだよ、人違いかと思ったじゃないか…あー恥ずかしい思いして損した」
幼馴染「ふぅん」
もしかしたら、こいつ明日から俺と同じ高校に通うのか?
男「お前ってさ、もしかして通う高校って」
幼馴染「〇〇高校」
当たった。ちょっとテンションが上がった。でも、なにか違う。こいつ、こんな性格だったっけ?
男「そうだ!引っ越しの後片付けとか、荷物の整理とか手伝うよ!」
幼馴染「いや…いいよ」
男「そっか…」
なんか鼻っ柱を折られた気分だなぁ…
まぁこいつも女の子だ。男には見られたくないものだってあるに違いないさ。
男「じゃ…用があったらいつでも呼んでくれな」
部屋に戻り…寝た。
隣からあわただしい音がしたが、呼ばれない以上しかたない。明日から新学期だ。
朝
あいつはもう部屋にいなかった。初日からお早い登校ですこと…。
学校
男友「おう!お前また同じクラスだな!」
男「お、そうなのか。よろしくな」
男友「はは、何を今更!」
無意識に幼馴染の名前を探した。無い…無い…あった。灯台下暗し、とはこのことか。同じクラスだ。
男友「まぁ…教室に行こうぜ」
男「そうだな」
多分今年も出席番号でいえば、1番後ろの席だろう