少女「だって、いないんでしょ? もういないんでしょ?」
男「……」
少女「でも、おかあさんもおとうさんもいないって、わかんないんだもん」
男「少女ちゃん。今日はゆっくり話そう」
少女「……」
男「まだ色々混乱してるのは、仕方ないよ。俺が少女ちゃんだったら、もっと取り乱してる」
少女「でも、ダメだよ。だって、いないんだもん」
男「いいんだよ、それで」 ナデナデ
少女「……」
男「それじゃ、何の話しようか」
少女「……いもうとは、だれとけっこんしたの?」
男「うちの父さんだけど、多分少女ちゃんは知らないんじゃないかな」
少女「どうして?」
男「うちの両親、高校の同級生だったみたいだから」
少女「つきあってたの?」
男「みたいだね。……親の恋愛話なんて、そんなに知らないし、知りたくないけど」
少女「それで、それで?」
男「だから知らないってば。……まあ、うちの父親が告白したんだと思うよ。ずっと尻に敷かれてるし」
少女「ふふっ、そうなんだ」