少女「……」 ジィッ
男「面白いか?」
少女「うん。みんなたのしそう」
男「そんな良い思い出ばっかでもないよ」
少女「でも、いっぱいおもいで、あったんでしょ?」
男「それなりにね」
少女「わたしとおなじくらいのおにいちゃん」 ススッ
男「小4かな、多分」
少女「あかちゃんのころのおにいちゃん」 ススッ
男「……」 ムズムズ
少女「はなよめのいもうと」 ススッ
男「うん」
少女「ぜんぶ、わたしはいないんだよね」
男「……」
少女「やだな」
男「少女ちゃん」
少女「ほんとは、わたしもここにいて、みんなといっしょにおいわいして」
男「少女ちゃん」
少女「いもうとと、男と、おとうさんと、おかあさんと、いっぱいたのしいことして」
男「少女ちゃん」
少女「そうやって、おとなになって、おばさんになってたはずなのに」
男「……」
少女「やだなぁ」 ポタッ
男「……大丈夫だから。これからたくさん、思い出もできるから」 ギュッ
少女「……うん」 コクリッ