『普通勝手に中見るか?』
と逆ギレしてきた。
なので
『んなこと知るか。説明しろ』
と迫ったら拒否されたので
『あっそ』
とエンジン始動。
彼女の家の近くには山がある。
その山には道路があるのだが、非常に幅員が狭い。
1.2車線あるかないか、という具合。
その道路の入り口まではのんびり車を走らせたが
道幅狭小区間に入ってからアクセルを全開にした。
当時の俺の車はジムカーナ仕様のミッドシップ車だった。
レジャー向きではない、どころではないな。
そのときは正直俺自身自分がどうなってもいい気分だったので
限界を超えても構わないと思いながら走った。
一車線ちょいしかない山道でほぼ常時100km/hオーバーで走った。
彼女は案の定すぐ白状した。
俺の前の前の男とやったんだとさ。
でも一回だけだと。
まあ手帳にある色違いマークは一個だけだったんでそれは信じた。
で、その彼女の前の前の男、というのが
聞いてみると彼女の学生時代のバイト先の男で俺も顔見知りだったんだわな。
彼女が伏せてたのでそのときまで知らなかったんだが
彼女の浮気の前にも後にも顔を合わせてたし会話もしていた。