魔王『とっとと下がれ!』
側近「は……」
魔王『ああ、あと、しばらく余の部屋に入るでないぞ』
側近「なぜです?」
魔王『決まっておろう! 姫とあれこれするためだ! よいな!』
側近「……かしこまりました」
バタン…
姫「ふぅー、なんとかなったわ」
姫(これでしばらく時間を稼げる……なんとかして魔王を蘇らせないと……)
数時間後――
姫「ダメだわ! 何やっても生き返らない!」
プーン…
姫「ん?」
姫「……臭い!」
姫「どうしよ! 早くも腐ってきちゃった! 魔族って腐るのが早いのかしら!」
姫「ひいい、もう魔王を生き返らすのは無理だわ!」
姫(もし、このまま勇者様がやってきたら――)
勇者『あれ、魔王は?』
姫『私が……倒してしまいました』
勇者『うわっ、なんて野蛮な! 君のことは嫌いになったよ!』
姫『そんな……!』
姫「きっとこうなってしまう!」
姫「こうなったらなんとしても魔王には復活してもらわなくては!」
姫「あのー」
側近「! なぜ出歩いている!?」
姫「魔王様が自由時間をくださったの」
側近(また勝手なことを……!)
側近「それで?」
姫「このお城って図書室あるかしら?」
側近「図書室? 書庫だったらあそこを曲がってすぐだ」
姫「ありがとうございます!」
側近「……?」