【※中学生のび太※】ドラえもん「道具を使って本気で戦いたいだって?」 アニメでは決して放送できない幻の秘話がココに・・・

のび太〈……しかし、二人はどうやって助ける…?ジャイアンの爆弾をどうやって剥がせばいい?〉

のび太〈今の僕じゃあ……ジャイアンとスネ夫を助ける方法が思いつかない……!〉

曹長「何ですかね、その丸い粒は?」

のび太「ぐっ…!!」

再び部屋の中に戻ってきた曹長は
のび太の手首を踏みながら不敵に微笑んだ…!

曹長「貴方は本当に抜け目の無い人だ」

曹長「この粒のような物を…どうするおつもりで…?」

のび太「……」

曹長「今の貴方は何をやっても失敗してしまうのですよ?」

のび太「……」

曹長「…黙ってないで何か答えたらどうですッ!!!」

のび太「ウガァアアアア!!!」

のび太〈ブーツのかかと…痛すぎる…!!〉

曹長「…よろしい、これは没収します」

のび太「……!!」

曹長「この状況、不自由なあなたが使うのでは無く骨川氏か剛田氏に使うと見ました」

曹長「錠剤かと思いましたが…『肌に付着させる物』なら、今のあなたの状態でも十分使用可能…」

曹長「『ドジバン』と同じく、付着させるとあまりメリットが無い類の物なのでしょう?」

曹長がのび太に歩み寄る

のび太「何を…!!」

曹長「……貴方自身、その身をもって確かめさせてもらいましょうか!!」

のび太「さっきの『ずらしんぼ』は僕が握っていたから『失敗』したんだ…!」

曹長「……?」

のび太「初歩的なミスだね…僕の行いは全て失敗するけど…君なら失敗しないだろう…!?」

のび太は自身の手首に貼ってあった『ドジバン』を剥がした

曹長「えッ?えッ?」

のび太「君が僕に付けたこの粒は『人間ラジコン』の受信機さ…!誰に付けられても良い様に『自動操縦』にしてあったんだ…!」

のび太「自分の意思で動く事は出来ないが…こいつは『善』に全力を尽くす行動をしてくれるからね……!」

のび太「僕の肉体が限界を超えても…君を地の果てまで追い詰めてやるぞ…!」

曹長「は…速い!!」


望遠鏡を使い、部屋から瞬く間にいなくなった曹長だが
稲妻ソックスに加え『自動操縦』であるのび太は
寸分狂わず最短距離で曹長に詰め寄る…!
手に取り望遠鏡で移動できる距離では差を広げる事が困難であった

のび太〈体が…軋む…けど!逃がさないぞ!!〉

曹長〈まずい…勝つ見込みがあるとすれば…先程の骨川氏を利用するしか…!〉

のび太「…何だ…?来た道を戻っていくぞ…!」

曹長〈どんどん距離の差を縮めて来ているものの…全力疾走の野比氏も流石に疲労を隠せない様で…〉

曹長「ふむ…肉体の疲労か……良い事を思いつきましたよ!!」

ーとある公園ー

のび太「…はぁ…はぁ……追いついた…」

曹長「上の者に道具を渡された時…私の戦略は『ドジバン』を貼って貴方の自爆を誘うしか道が残されていませんでした」

のび太「……?」

曹長「つまり『ドジバン』を看破された時点で貴方を倒す術が無くなったわけです」

曹長「ですが…その道具を攻略する際、貴方にはひとつの『弱点』が生まれた…!」

曹長「それが……これですッ!!」

のび太「……!!」

曹長は懐から瓶を取り出し、飲んでみせた

のび太「今のは…『トロリン』ッ!?」

曹長「御名答、私の体はこれで『液体』になった。自動操縦の貴方では私を倒す事は不可能…!」

のび太「……それなら何か道具で君を『固体』に戻せば…うぉぉっ!!」

ドゴォン!

人間リモコンはのび太の意思とは裏腹に
液体となった曹長を殴りつけるように体を操った

のび太「無駄だ!畜生!これじゃあダメージは無いんだよっ!」

曹長「ハハハハハ!道具に何を言っても無駄!早く疲弊しきって命乞いをする様を見てみたいものです!」

のび太の必死の訴えも空しく、水溜りごと地を抉る音が
何度も公園に響き渡った…

のび太「はぁ…はぁ………こ、今度は何だ!?足が勝手にッ!?」

曹長「おや?今なら何らかの道具を使えば私を倒せる絶好の機会だというのに…」

のび太の足は水溜りとなった曹長から
どんどん離れていく…!

のび太「バカなッ!?『人間リモコン』!逃げるつもりなのかッ!?僕の意思を汲んではくれないのか!?」

のび太〈いや…人間リモコンの行動は『善』だ…つまりこの目の前の敵を倒す事より大事な用が…〉

のび太「あるわけ無いだろうッ!?今奴を倒さずに何時倒すってんだッ!!」

曹長「長距離走ご苦労様、とでも言っておきましょうか……アハハハハハ!」

のび太〈今の僕じゃあとてもこの状況を突破できる気がしない……!悔しいが…完敗だ…!〉

今朝からの連戦、度重なる疲労、そして敗走…
肉体を酷使し続け、のび太の心身は既にボロボロであった

のび太〈僕は……どこへ行くのだろう……このまま…死ぬのだろうか…〉

人間リモコンによって操られたのび太は歩みを止める
辿り着いたのは一軒のアイスクリーム屋

客、というより近所の子供達に泣きつかれ
店主が困った様な顔をしている…

のび太は操られるがまま、持っていた500円玉を差し出すと
子供達の顔に笑顔が戻った

店主「いやー助かった!こっちも奢りたい気持ちはあれど…一応商売なんでねぇ」

のび太「子供を甘やかしすぎるのも、良くないですもんね…」

店主「まぁそういう事だ。へへへ、ちょっと待ってな…」

店主はのび太に
コーラフロートが入ったジョッキを渡した

この炎天下、今朝から何も口にしていないのび太にとって
これ以上無い施しであったが…

人間リモコンに操られるがまま貪りつくも、内心は躊躇していた
明らかにお釣りの量を超えていたからだ

のび太「あんまり子供を甘やかすなって今言ってた所じゃ…」

店主「情けは巡り巡って自分に返ってくるってのも教育上大切な事だぞ、少年!」

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