幼女「ふぇぇwwwwwゆきだるまだよぅwwwwwwwwwwwww」
のび太〈時を数時間先へ進めたのか…!!積もって前が見えないぞ……!〉
のび太「けど…僕には『スーパー手袋』の怪力があるんだ!こんな雪くらい掻き分けて…!」
ゴバァァァッ!
幼女「ふぇ…」
のび太〈このままでは近隣の被害が酷い…僕も魔法を作ってこの現状を……〉
幼女「――…虚ろなる闇に生まれしものよ、非情の腕≪かいな≫をもって 忘却の海に沈み逝く記憶を縛れ」
ドパァ―――z___ン☆
のび太「事典が…ッ!開かないッ!!」
幼女「ふぇぇwwwwぁかないよぅwwwwwwwwwwwwwふぇぇwwwぁかないよぅwwwwwwwwwwwww」
のび太「こいつ…ッ!」
幼女「――…炮烙の乙女よ、大いなる意思によって刻印を定め 有りて罪多き回廊を導かん」
ドパァ―――z___ン☆
のび太「事典がひとりでに…あの子の手に戻っていく…ッ!」
幼女「ふぇぇ……返してもらったよぅ……つぎのまほぅでおしまぃだよぅ……」
のび太〈あまり深く考えていない……この子は『直感』で次の手を打ってくる……!〉
のび太〈子供の思考で考えるんだ…!目の前に敵がいたら…どうする…!?〉
目の前に障害があれば
誰だって取り除こうとするだろう…
次の魔法は恐らく――――――『死』
のび太「参ったな…!邪魔なオモチャを片付ける様に…この子は僕を排除するだろう…」
のび太「問題はその『内容』だ……『外傷的なもの』なのか……『全く傷つけずに対象を死に至らしめる』ものなのか……」
のび太〈生き残れる望みはひとつ……!しかし、それを決めるのはあの子だ……!〉
のび太〈――――……だけどもし、その選択権を『僕が』獲ることが出来る道具があるとしたら…?〉
―――――10日前、裏山に着いた時の事である
ドラえもんに対しのび太は、あるひとつの罠を仕掛けていた
その罠というのは
一度作動してしまえばドラえもんの位置が手に取るようにわかる、というものである
しかし、ドラえもんがその罠に引っかかるのかは全く保障できるものでは無く
罠に引っかかったとしても、何時どのタイミングで引っかかるのかも不明である
そんな博打にも似た罠を
強制的に発動させる方法がひとつだけあった……
のび太「罠の効果時間は引っかかってから…誤差を含めれば『1時間前後』…!」
のび太「この子の一撃必殺の魔法を避け…ドラえもんを罠にはめる…!」
のび太「……両方叶ってくれる事を祈るばかりだ…!!」
のび太は錠剤のようなものを二つ取り出し
それらを飲み込んだ…!
幼女「――…地に堕とし宿命と共に灰燼と化しん 神苑の淵へと還る大海に至らんとする流れを渡れ」
ドパァ―――z___ン☆
ドクンッ!!
のび太〈……………〉
のび太「」どさっ
幼女「ふぇぇ……おにぃちゃんうごかないよぅ………」
幼女「ふぇぇ……おきてよぅ………」ツンツン
のび太「」
幼女「ふぇ…」
のび太「」
幼女「ふぇぇ……しんでるよぅ………」
のび太「」
幼女「ふぇっwwwwwwwwwふぇぇwwwwwwwwwwwwwwww」
のび太「」
幼女「ふぇっwwwwしんでるよぅwwwwwwwwwwwふぇぇwwwwwwwしんでるよぅwwwwwwwwwwwwwwww」
幼女「ふぇぇwwwwふぇぇwwwwwwwwwwwww」
のび太「やぁ」
幼女「ふぇぇwwwwwwwふぇ…」
少女が後ろに振り返ると
そこには三角頭巾を被った、足の無いのび太が……
┣¨・・・┣¨・・・┣¨・・・┣¨・・・┣¨・・・┣¨・・・┣¨・・・┣¨・・・
幼女「ふぇ………ふぇぇ………」
のび太「………バアっ!!」
幼女「ふぇぇぇん………こわいよぅ…………」トテトテトテトテ……
のび太「……どっかいっちゃった……やっぱり子供だ……」
のび太は幽体から自分の肉体に戻ると
少女の落としていった魔法事典を拾い上げた
のび太「まず、この吹雪を止めなければ……この事典、開かない様だし燃やしてしまうか。」
のび太「『とりよせバッグ』でライターを取り出して、と………」シュボォォ…
のび太が魔法事典を燃やすと
それまで吹き荒れていた猛吹雪が嘘の様に治まった…
分厚い雲の切れ目から、夏の日差しが差し込む…!