のび太「『強力スーパーパワーゲン』で強化されたくしゃみだろうと……僕は『台風の複眼』で風を無力化出来る…」
のび太「『爆発コショウ』も本来なら使用者自身を飛ばすほどの設計はされていない……」
のび太「……みんなに……自分勝手に道具を使わせるから……こんな惨い結末を生む事になるんだ……」
のび太「許さないぞ……僕はドラえもんの事…絶対に許さないぞ……!」
敵を哀れんでいる暇は無い…
諸悪の根源と決着をつける為、のび太は再び走り出す
静けさを取り戻した住宅街の一角…
そこには、准士官の着ていたジャケットだけが空しく横たわっていた…
――――――…
のび太「街を抜けてからだいぶ経ったけど……!!」
のび太「段々距離が近づいて来たぞ……!!」
ドラえもんとの距離を徐々に詰めていったのび太だが
ここに来て一転、憂慮すべき事態に陥る…
のび太「ハァ…ハァ……」
のび太「な…なんだ…ドラえもんの奴…」
のび太「さっきまでこっちの方角…『西側』にいた筈だぞ!?」
のび太「真逆だ…今は『東』にいる……!」
のび太〈罠に気付かれたか――――――…ッ!?〉
のび太は進路を変えようと来た道を振り返る…
しかし…
のび太「今度は北ッ!!」
10日前から仕込んだ罠…
雲を掴むような話から始まり
やっと討つべき好機が訪れたというのに…!
のび太「くそ~…ここまで頻繁に移動されちゃ…!」
のび太「―――ッ!!」
それはドラえもんに気を取られていた一瞬の出来事であった…
違和感を感じたのび太は自分の足元へと視線を下ろす…
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・・
のび太「この……足の刺し傷は……何だッ!?」
知らぬ間に足をやられてしまった事で体勢が崩れ
無防備の状態でその場に倒れてしまう
しかし、それよりものび太が恐れたのは…
のび太〈……今…僕は、刺されたのか…!?〉
のび太〈全くだ……全く気配を感じなかった……!!〉
バッグから『警察犬つけ鼻』を取り出し着用しようとしたその時…!!
のび太に無数の刺し傷が襲う!!