後方から不意に発せられる怒声……
男「何をしているんだ二人とも!大人しくしておけって言ったじゃないか…!」
女「おっと、動くなよ…男もあたしがやる事に余計な口を挟むな…いいな?」
のび太「………ッ!」
振り返ると
先程の男に中尉と思われる女…そして…
のび太「スネ夫……捕まってしまったのか……ッ!?」
女「見ろ…あたしの言う通り人質を用意しておいて良かった…!」
男「おい!落ち着け!今『少佐』にこの事が気付かれたら……」
女「黙りな!どの道あいつが仲間にならないんじゃ全員あの世逝きだよ!!」
女「だから…汚い手でも何でも使ってあいつの道具を奪うまでさ…!!」
女がガラスのような透明の刃を
スネ夫の首筋に突きつける…!
スネ夫「あ…あわわ………」ガクガクブルブル
女「大尉、あんたが負けるなんてね……如何にそこの男が危険かわかったよ…」
大尉「面目ねぇ……」
女「構いやしないよ……あたしが何とかする…!!」
女「道具を差し出せば、この人質の命は助けてやる…!」
のび太「……!」
女「差し出す気が無いなら……こいつもお前も始末して道具を奪う!」
男「無茶苦茶だぞ女!……第一道具を奪ったとしても使い方を覚えている猶予は……」
女「あんただってわかるだろ!やっと奴を裁ける兆しが見えてきたんだ…その為ならあたしは容赦しない…!」
男「……っ!」
女「さぁ、好きなほうを選びな…!!」
のび太「僕は……!」
のび太は取り寄せバッグからスネ夫をとりよせた!
スネ夫「のび太ぁぁ~~!」
女「!?」
のび太「スネ夫!泣いている暇は無い!!逃げよう!!」
のび太はスネ夫を担ぎ
その稲妻ソックスの足で逃げる…!
女「残念だけど…!あたしの攻撃からは逃げられないよ!!」
女はその手に持つ
透明の刃を放り投げた…!
三人を撒くべく、道行く道を曲がり
街を全速力で駆け抜けるのび太…しかし!
スネ夫「の…のび太…さっきからおかしいぞ…この『刃』は!!」
のび太「!?」
先程投げられた透明の刃は
ぶれる事無くのび太の後を追従する…!
のび太「僕らの後をピッタリと付いてくる…これは『エースキャップ』でコントロールされた物だッ!!」
スネ夫「名前の響きだけで…な…何だか嫌な予感がするよ…!!」
のび太「そう…エースキャップを被って投げた物は、狙ったところに必ず命中させる事ができる…!」
スネ夫「ど、どうやって避ければいいんだよそんな道具!?」
のび太は立ち止まり
向かってくる刃と向き合う…!