スネ夫「う…うわぁ危なぁぁぁい!!」
ザクッ!
スネ夫「……………?」
スネ夫が恐る恐る目を開けると
透明の刃はのび太の持つグローブのミットに収まっていた…!
のび太「『がっちりグローブ』……悪送球だろうと、このグローブは飛んできたものを全て受け止めるッ!!」
のび太「だ…だけど…ッ!!」
のび太の手の平から血が溢れ出す…
その手には透明の刃が突き刺さっていた…!
のび太「ミ…ミットにきっちり収まると言っても……掴むタイミングは自分で調整しなきゃあならない…ッ!!」
スネ夫「手が貫かれてる…あわわ……」
のび太「これぐらいの傷ならタイム風呂敷で治せるからいいんだけど……痛ッ……!」
のび太は突き刺さった刃を引き抜いた後
貫かれたがっちりグローブを破き、脱ぎ捨てた…!
のび太〈それにしても…この透明の刃は何だ……?硬度は『鉄』並だけど、この独特な手触りは……?〉
スネ夫「の……のび太…あ、あれ……」
スネ夫が指差す先…
そこには複数の新たな刃が、まっすぐとのび太達を目指し飛んで来ていた…!
のび太「スネ夫……『透明のナイフ』って…どこの店で取り扱ってると思う…?」
スネ夫「し、知らないよそんなの!大体『透明のナイフ』なんて危なっかしくて……!!」
のび太「そう、その通りだ…だけどあの『中尉』はそんな珍しい物を何故これほど持っているんだ…?」
スネ夫「う…うわぁ命中するぅぅぅぅッ!!」
スネ夫「……………?」
スネ夫が恐る恐る目を開けると
今度はのび太が杖を掲げていた…!
のび太「旧約聖書のモーゼは…エジプトで奴隷として虐げられていたユダヤ人を率いて脱出する際、海を2つに割ったという…」
スネ夫「な……なんだ……?飛んできた刃物が僕らを逸れていくぞ…!?」
のび太「この『モーゼステッキ』は海を割ったモーゼの伝説のように……『水』を寄せ付けない…ッ!」
のび太〈思ったとおり…!これはただの刃物じゃあ無い…『水加工用ふりかけ』で作られた『水』の刃物だ!!〉
※水加工用ふりかけ
水に振りかけると好きなように加工できる
粘土、スポンジ、鉄ふりかけ等、種類は様々
スネ夫「す、すごいじゃないか!のび太のくせに頼もしいや!!」
のび太「だけどこの『モーゼステッキ』……何時、電池が切れるかわからない…」
スネ夫「…へ?」
のび太達に第三波の刃が押し寄せる…!
スネ夫「お、おい!これじゃ何時刺さるか……!」
のび太「『水よけロープ』を使おう。このロープを結んでその輪の中に入れば水を寄せ付けずに済む」
スネ夫「始めから出しとけやい!そういうのは!」
女「様子を見に来てみれば……中々しぶといね…!」
投げた刃物の道筋を辿り
中尉がのび太達に追いつく…!
スネ夫「き、来た…!!」
のび太「大丈夫……!『水よけロープ』には電池切れとかそういうのは無い…!」
女「なるほどね…あたしのナイフが『水加工用ふりかけ』で作られた物だと見抜いたのか……!」
中尉の攻撃を凌いだのび太だがその警戒を緩める事は無かった…!
一週間前に戦った准士官は
『強力スーパーパワーゲン』、『ロケットストロー』、『ミニブラックホール』を所持していた…
准士官より上の階級である中尉が見せた道具は『水加工用ふりかけ』に『エースキャップ』……つまり…
のび太〈この女は少なくとも……あと1つ道具を隠し持っている事になる……ッ!!〉
女「水が駄目なら……こいつを喰らいな!!」
女が新たな道具を繰り出す…!!
のび太「あれは…『誘導ミサイル』だッ!!」
スネ夫「うわぁもう勝てっこないよぉぉぉ!ママーーーーッ!」
のび太はスネ夫を担ぎ込むと
全速力で逃げ出した…!