スネ夫「どうするんだよぉぉのび太!!」
のび太「『誘導ミサイル』の特性は確か……!!」
高級住宅街に逃げ込んだのび太達は
敷地内に停めてあったリムジンの屋根に飛び乗り
『通り抜けフープ』で車内へ飛び込んだ!
スネ夫「フーっ…フーっ…!!」
のび太「『誘導ミサイル』は障害物を突き破ってこない…!この鉄の密室ならひとまず安全だ…!」
誘導ミサイルはのび太達のなだれ込んだ
リムジンの前でピッタリと静止した
女が再び繰り出したであろう無数の水ナイフが
リムジンを直撃する!!
スネ夫「!!このリムジン、『防弾仕様』か……ひとまず助かった……」
のび太〈助かったけど……この猛攻をどうやって避わす…!?〉
戦えないスネ夫を安全な所まで逃がし、尚且つ猛攻をかい潜り中尉に近づく……
のび太はこれまでにない選択を迫られていた…!
相手がエースキャップを持っている以上、投げ物はどこまでも追ってくる
スネ夫を逃がす為、距離をとってしまえば相手を見失い
こちらにはまず勝ち目が無くなる
近くにいる今だけが唯一のチャンスであった…!
のび太〈今、中尉に近づけば勝てるかもしれない…だけどスネ夫をどうやって守ればいい………!?〉
のび太〈『サンタイン』でスネ夫を『液体化』させておいたとしても……誘導ミサイルで『吹き散らかされる』様な事があればスネ夫は……〉
のび太「…スネ夫、まだ車から出ちゃあ駄目だ……!!」
スネ夫「あ、ああ…わかってるさ……!」
スネ夫は車内の席を左右に移動する
のび太「スネ夫…?一体何をしてるんだ……?」
スネ夫「なぁのび太……この外にあるミサイル…空中で止まったまま動かないけど…」
のび太「そりゃあそうさ……『誘導ミサイル』は障害物を全て回避してターゲットに直接着弾するように出来てる……」
スネ夫「じゃあ、このミサイル……どっちが『ターゲット』だと思う……?」
のび太「……?」
スネ夫「僕は出た後の話をしているんだぜ…!」
のび太「……!?」
スネ夫「防弾仕様といっても…何回も同じ箇所にナイフをブチ込まれたらこのリムジンもおしまいだ…」
のび太達が話している間も水ナイフは次々と繰り出されている…
丁度、そのひとつが車の天井に突き刺り、車内にまで深く食い込んだ…!!
のび太「!!……確かに……車がつき破られるのも時間の問題だ…」
スネ夫「この状況を突破するには…『中尉』を直接叩く以外に方法は無いと僕は思う……!」
のび太「!」
スネ夫「僕らが二手に分かれれば…!その分のび太の負担が減ってあの女の所まで距離を詰める事もできる!」
のび太「スネ夫、君は……!」
スネ夫「僕がなるべく時間を稼ぐ…!だけどこのミサイルがもし道具を持ってない僕に矛先が向いているとしたら…!」
外に出た瞬間スネ夫は瞬殺され
のび太は二人分の猛攻を掻い潜って中尉に近づかなければならない事になる…
スネ夫「僕が人質にならなけりゃ君にこんな苦労をさせる事もなかった……僕は何て非力なんだ………」
のび太「いや…僕は大変な誤解をしていたよ…!」
スネ夫「のび太…?」
のび太「君が『戦う意思』を示してくれたおかげで…!僕の迷いは晴れた!」
天井に食い込んだいくつかの水ナイフの効力が切れ始める…
上から徐々に滴り落ちる水…
次にこの隙間を狙われたらひとたまりも無い状況であった