【※クレヨンしんちゃん※】高校生しんのすけ「最後の……最後の夏休みなんだなぁ……。いっぱい思いでつくろうな」

10年後

暑い日差しのなかみんなが集まった。

僕、ひまわり、ネネちゃん、ボーちゃん、マサオくん。

そこには当たり前たがしんのすけの姿はない。

僕は長年付き合っていたひまわりと結婚していた。今、ひまわりのお腹のなかには子供がいる。

ボーちゃんは若くして大学教授になり、一度はやめていた石についての研究もしている。

ネネちゃんはいまだ独身である。ネネちゃんもまた、しんのすけが消えてからポッカリ穴が開いたようだと、

とっても好きな人がいたような気がするのに思い出せないと言っていた。

マサオくんは大学に何回も落ち、就職することも諦め、コンビニでバイトをしながら親のすねをかじっている

「タイムカプセル…いよいよ開けるときがきたわねー」

「でも誰がタイムカプセル埋めようっていいだしたんだっけ?ボク全然おもいだせないやー」

「ぼくも」

「私も。でもずっと何かを忘れてるような気がするのよね。こう、みんなで集まっても一人足りないって気がするの。そう思わない?風間くん」

そうだね、だってしんのすけがいないんだから。

土を掘り返しタイムカプセルを取り出した。

10年という年月のせいか缶は少しさびついていたが中身は無事だった。

使った線香花火。アクション仮面の人形。そのうらにはしんのすけと名前が書いてあった。

みんなで撮ったポラロイド写真。そのすべてにしんのすけがうつっていた。

「誰だろう。この男の子」

「でもすごくなつかしい感じがする」

「写真のなかの私たちすごく楽しそう。ずっと仲良しだった気がする」

「私たち、すごく大切なものを忘れていた気がする。この子をみてわかった気がする……」

ネネちゃんは写真を見つめながらスーッと涙の粒を落とした。

写真の中でしんのすけはいつも笑っていた。

あの夏の思い出はタイムカプセルのなかで消えずに残っていた

手紙を見つけた。しんのすけの手紙。

そこには簡単にこう書いてあった。

『この夏をみんなと過ごせて楽しかったみんながおれのこと忘れてもおれはみんなのこと 忘れない』

 

…………………

あれから数ヵ月後、ひまわりは無事男の子を出産した。

僕たちは子供の名前を、『しんのすけ』と、命名した。

しんのすけは今5才。

いがぐり頭で太い眉毛、彼はお調子者で人気者の―――――。

 

おわり

 

出典:http://esusokuhou.blog.jp/archives/19506024.html

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