ある日のコナン

コナン「よし、おっちゃんは眠らせた……」
コナン「変声機を使って……」カリカリ
コナン『犯人は……あなたですよ!』ビシッ
犯人「ぐっ……!」
コナン(やれやれ、これでもう殺人事件に出くわすのは何回目だ……?)
コナン「博士ぇ……」
阿笠「どうしたんじゃ?」
コナン「もうやだ……殺人事件に出くわすの嫌だ」
阿笠「なんじゃ、平成のホームズがだらしない」
コナン「平成はもう終わっちまうよ! 令和になっちまうよ!」
阿笠「それはいわないお約束じゃ」
コナン「博士、俺もいい加減、殺人事件の起きない場所に行きてえ」
阿笠「行きてえといわれても、そんな場所そう簡単には……」
コナン「だよなぁ……海外でも事件は起こるだろうし。実際起こってるし」
阿笠「いや……待て」
コナン「?」
阿笠「南極じゃ! いくらなんでも南極なら殺人事件も起きないじゃろう!」
コナン「そうか、南極って手があったか!」

ヒュゥゥゥゥゥ…
コナン「う、うう……寒い」
阿笠「これだけ着込んでても寒さが身に染みるのう」
コナン「博士、分かり切ってたことだけど、南極って寒いんだな」
阿笠「なんせ、夏でも氷点下というからのう」
コナン「だけど、これなら殺人事件なんて起きっこ――」
「大変だー!」
阿笠「どうしたんじゃ?」
コナン「何かあったのー?」
観測員「それが……この先の南極観測基地で殺人が起こったんです!」
コナン「なにいいいいいいい!?」
阿笠「なんじゃとぉぉぉぉぉ!?」
阿笠「どうする……?」
コナン「そりゃほっとくわけにはいかねーだろ。面倒だし、博士の声とか使わず推理しちまおう」
コナン「犯人は……阿無善太さん! あなただ!」
善太「くっ……俺の南極点トリックを見破るとは……!」
観測員「阿無さん! なぜ須琴さんを!」
善太「あいつが、俺の観測方法をバカにしたから……!」
コナン「バーロー……」
コナン「いくら南極観測に熱心でも、この白く美しい大地を赤く染めちゃならねーよ……」
善太「うう……」ガクッ

阿笠「まさか、南極でも殺人事件が起こるとはのう。ビックリじゃ」
コナン「ホントだよ」
阿笠「で、次はどうするんじゃ?」
コナン「こうなったら宇宙しかねえな」
阿笠「ついに地球を飛び出すのか!」
コナン「オヤジのコネで、今度宇宙に発射されるスペースシャトルに乗せてもらうよ」
阿笠「なら、ワシも同行しようかのう」
宇宙飛行士「もう無重力ですよ」
コナン「わーっ、すっげえ! 体がかりーや!」フワフワ
阿笠「ここなら太ったワシの体も空中に浮くのう」フワフワ
宇宙飛行士「なにしろ無重力ですからね」
「キャーッ!」
コナン「悲鳴!?」
コナン「犯人は……大気ケンさん! あんただ!」
ケン「ちくしょう……バレちまったか!」
宇宙飛行士「なんであの人を殺したんだ……!」
ケン「俺がコネで今回のメンバーに選ばれたことを、執拗にバカにするからだよ!」
コナン「ちょっと耳が痛い話だぜ」
阿笠「せっかく舞台が宇宙なのにスケールの小さい動機じゃのう」
コナン「やっぱ宇宙に逃げたぐれーじゃ、殺人事件から逃れることはできねーか」
阿笠「いや、今回のは宇宙といっても中途半端だったんじゃ」
阿笠「地球をちょっと出たぐらいじゃったからのう」
阿笠「いっそ火星ぐらいに行けば、さすがに殺人事件も起きんじゃろう!」
コナン「火星って……どうやって行くんだよ?」
阿笠「発明の天才であるワシにできないことはない! 火星へのワープ装置を作ってやるわい!」
コナン「おー、ここが火星か!」
阿笠「ワシ特製の宇宙服を着ていれば、呼吸も会話もバッチリじゃぞ!」
コナン「ありがとう、博士!」
コナン「これでやっとしばらく、殺人事件から解放される……」
「################!」
コナン「なんだなんだ?」
阿笠「聞き慣れない言葉が聞こえてきたのう」
コナン「えーと……火星語は分かんねーけど、ジェスチャーで伝わるだろ」バババッ
コナン「犯人はあんただ! *****さん!」ビシッ
火星人「……!」
火星人「###############################……」
コナン「しんみりと動機を語ってくれてるらしいが、さっぱり分かんねえ」
阿笠「火星でも殺人事件って起きるんじゃのう」
コナン「やっぱ無理なんだ……」
コナン「俺は生きてる限り、殺人事件と出くわし、解決し続けなきゃいけない運命なんだ……」
阿笠「諦めるな! まだ行ける場所は残っておる!」
コナン「……どこだよ?」
阿笠「南極も宇宙もダメなら、時空じゃ!」
コナン「時空……!」
阿笠「こうなったらタイムスリップじゃ! ワシがタイムマシンを作ってやる!」
コナン「犯人はウホホウホさん、あなただ!」ビシッ
原始人「ウホホーッ!」バババッ
阿笠「ひれ伏しておる。言葉は通じておらんが、観念したようじゃのう」
コナン「原因はマンモス肉の奪い合いってとこかな。原始的だが、なかなか骨のあるトリックだったぜ」
阿笠「原始時代の殺人事件も解決してしまうとは、さすがじゃのう」
コナン「……ちっとも嬉しくねえよ」
コナン「だけど、この調子じゃどの時代にタイムスリップしても同じだろうな」
コナン「江戸時代に飛んだら、きっと岡っ引きあたりと事件解決するはめになるだろうし」
阿笠「その光景が容易に想像つくのが悲しいのう」
阿笠「だとしたら……もう他の世界に行くしかないか」
コナン「他の世界?」
阿笠「異世界じゃよ」
コナン「異世界に行くの流行ってるらしいし……行ってみるか!」
阿笠「さっそく異世界へのワープ装置を発明するわい!」
騎士「なぜ、騎士団長を殺した!?」
女騎士「くっ、私は殺してない!」
騎士「黙れ、騎士団長殺し!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
コナン「いきなり事件が起こってるよ……」
阿笠「多分あの女騎士の冤罪を晴らす流れになるんじゃろうな」
コナン「じゃあ、とっとと解決すっか」
阿笠「異世界にもかかわらず、鮮やかな推理だったわい」
コナン「……」
阿笠「そう落ち込むな。まだ他にもいくらでも異世界はあるんじゃから」
コナン「もういいよ。ありがとう、博士」
阿笠「なんじゃと?」
コナン「多分、どんな異世界に飛んだとしても、俺は殺人事件に出くわすんだと思う」
コナン「俺は生きてる限り、殺人事件を引き起こしちまうんだ」
コナン「俺が自害すれば、全ては丸く収まるんだ……」
グサッ
阿笠「新一ィィィィィ!!!」
コナン「あーあ、コナンの状態で死んだから、結局子供の姿のままか。失敗したな」
コナン「だけどこれでよかったんだ……」
コナン「これでもう、殺人事件に出くわすことはねえ……」
閻魔大王「お前が江戸川コナンこと工藤新一か」
コナン(こいつが……閻魔大王? 想像通りいかつい顔してやがる……)
閻魔大王「さっそくだが頼みがある」
コナン「頼み?」
閻魔大王「実は先ほど鬼が一人、殺害されてのう。しかし、下手人が誰か分からぬ」
閻魔大王「どうか事件を解決して欲しい! 解決してくれたら、褒美に生き返らせてやろう!」
コナン「ハハ……」
コナン(どうやら俺は死んでも殺人事件からは逃れられねーみてーだな)
おわり
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