【部室】
男「……よーす」
後輩「あっ!先輩きたっ!」
部長「おまっ……どうして連絡を寄越さなかったのだ!私たちがどれだけ心配したと!」
男「ごめんなさい、急に体調悪くなって……帰ったらLINE確認もせずに寝ちゃって……」
後輩「なら朝でもいいから一言下さいよー……この1日気が気じゃなかったんですよー?」ハァー
男「う……それは、申し訳ない」
部長「まぁ、元気そうならなりよりなのだがな。で、どうした男君。君は昼休みはいつも愛しの彼女のしっぽりランチタイムを決め込んでいるのだろう?」
男「その言い方なんか語弊があるのでやめてくれませんかね……いえ、あまり文化祭へ向けての準備が芳しくないので少しここで作業をしようと」
部長「なるほど!それはいい心がけだ!存分に励みたまえよ!」
男「……アンタは何もしなくていいのか」
部長「私か?私の仕事はもう終わったからな。あとは白衣君が組み立てるところを見ているだけが仕事よ」
白衣「…………………」キィィィィ
男「……なんか、不思議な形っすね」
部長「造形は特に拘ってないからな。これは存在自体が世界そのものを揺るがせる代物よ。そんなものに凝る必要もないわ」
男「相変わらず言葉だけはご立派ですねぇ。後輩を見習って欲しいものです」
後輩「…………うーん」カタカタカタカタ
男「どうした、難航してるのか?」
後輩「いえ……もうAI自体は完成したんですけど」
後輩「”器”が、ね……」
男「器?人工知能を、生身の人間に……?」
男(この後輩ならそのくらいのことはしそうだ)