後輩「そんなこと出来てもやりませんよ!CIAでもないんだから……」
男「なぜそこでCIA?」
後輩「まま、それはいいとして」
先輩「はあ」
後輩「先輩は、『ソードアートオンライン』とか、『メカクシティアクターズ』といった作品を知っていますか?」
男「SAOの方なら、名前くらいは……」
後輩「あ、ならそっちで説明をしましょう。そこに、ユイちゃんという、人工知能のキャラクターが出てくるんですが」
男「ほう、ほう」
後輩「そのユイちゃんとっても可愛いんですよ。ちっちゃくて、綺麗な髪をしてて、澄んだ瞳をしていて……」
男「お、おう……」
後輩「やっぱり、AIといったら、そういうものじゃないですかー」
男「……同意を求められても賛成はできないが、なぜお前が人工知能の研究をするのにpixivを開いているのか、その理由はわかった」
後輩「自分で絵がかけたら楽なんですけど、そういうわけにもいかなくって。声はなんとから自分ので代用しましたけどねー」
男「……それもう高校の文化祭で発表するような内容じゃないだろ……」
男(冗談抜きにこいつがノーベル賞取れるわ)
男「………はぁー」
後輩「どうしたんです、ため息なんかついて」
男「ただ今絶賛自己嫌悪中だよ」
男(まったく、この後輩ときたら)
男(軽く、常識を超えていってくれる)
男(俺が今直面している問題なんかよりも、こいつの方がよっぽどオカルトだよ)
男(たかだか自分との鬼ごっこに怯えてたのが馬鹿らしくなるくらいだ)
後輩「先輩ほどの人でも、自己嫌悪なんてするんですね!」
男「嫌味たらしく聞こえないのが憎らしい」
後輩「?」
男「なんでもない。忘れてくれ」