【個室】
男(………都心の、ネットカフェ)
男(さすがにここまで来たら、やつも追ってくることは出来ないだろう)
男(……と、言いたいところだが)
男(雨風を凌げるような場所で、現在の俺の所持金で行けるところなど限られている)
男(あくまで俺の敵は”俺”だ……だから、なんとかして”俺”を欺かなくてはいけない)
男(部長の家は学校の最寄り駅から一駅離れている)
男(なんとか……時間稼ぎになってくれるといいが……)
男「………ん」
男(後輩から……LINE来てるな)
男「……………」
男(……何を、言われるのだろう)
男(酷く、怯えている自分がいる)
男(全く……情けないな)
男(散々心配かけたんだ。こんなことくらいで一々ビクビクしていてどうする!)
男「………っ!」
後輩『先輩なら、大丈夫です』
男「………………」
男「……は、はは………」
男「そうだよな……大丈夫だよな!敵は……たかだか俺程度のやつだ!」
男「不安がることなんか……何もないか!」
男「はははははは!」