「ところでその素敵なお父さんは何をしてるんです」
「あ~去年死んじゃった」
「あ…ごめんなさい…」
親父は去年死んだ。
病気だったが死ぬ直前まで看護婦をはべらせて
病室はハーレム状態だった。
そう思うと親父は成仏したのだろうか。
あらかたこの世に残って妖怪枕返しとか微妙な
役職をやってる気がする。
女の部屋に入り、枕を返して喜んでいるかもしれない。
そう考えると親父らしくて可笑しくなってしまった。
「ところで…メリーさんは
この辺りでその…死んじゃったの?」
「そうなりますね、自分の死んだ場所からあまり
遠くには行けませんから」
「そうなの?」
「はい、ちなみ私はN県O市担当メリーさんです
担当場所以外は出られません」
そういう事か、各地で目撃されてる幽霊や妖怪が
場所によって姿や形が違うのはそのせいか
つまりメリーさんだけでもかなりの人数がいるということだ。
ますます、シビアな世界だ。