【※年下の母親※】「父さんの再婚相手な、大学生なんだよ」→一緒に暮らすようになってから再婚相手は驚くべき行動をとるようになる・・・

「お父さんもいっしょにご飯、食べればいいのにね」とカホが言った。

父は私たちと食事をしないことがよくあった。
正直、私には父のことなんてどうでもよかった。

昔は仲のいい親子だったと思う。

だけど、気づくと私と父の関係はいびつなものになっていた。

「どうして?」と私が聞くと、カホはこう答えた。

「だって、私たちは家族でしょ?」

「家族?」

「ちがうの? 私、なにか変なこと言ったかな?」

無性に反論したくなったが、言葉は出てこなかった。

「まだあの人とは結婚してないから、正確には家族ではないけど」

カホが私の顔を見る。なぜかゾクッとした。

「いずれは家族になる。あなたともね」

「……あなたは私よりも年下なんだよ? なにも思わないの?」

「ちょっと特殊かもね。でも、それになにか問題が?」

「想像してよ」そう言った私の声はふるえていた。

「母親が自分より年上の、娘のきもちを」

「奇妙に感じるかもね。でもそれも、ひとつの家族のかたちでしょ?」

「そんな簡単な言葉ですまさないで」

カホと同居するようになってから、はじめて私は本音を口にした。

「ずっと前から疑問だった。
あんなおっさんと結婚しようなんて、本気で考えてんの?」

カホの表情がわずかにくもった。

「年齢だって三十は離れてるでしょ。どう考えたっておかしいじゃない」

なぜこんなに彼女に突っかかるのか。
自分でも不思議だった。
でも彼女と同じ空間にいてはいけない、本能がそう言っていた。

「だいたい。家族やまわりの人たちは、このこと知ってるの?」

「家族はいない」レミが目をふせた。

家族がいない。その一言で、私は次の言葉を見失ってしまった。

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