「なんでもはんぶんこしようね?」
男と幼馴染【前編】
幼稚園時代
幼「」モグモグ
男「…幼ちゃん、なにたべてるの?」
幼「えへへ、チョコレートだよ」
幼「ばれんたいんだから、ママがくれたんだぁ」
男「そっか…ばれんたいん、チョコの日かぁ」
男「おいしいの?」
幼「うん、とっても」ニコッ
男「…いいな~」
幼「男くんもたべる?」
男「いいの?」
幼「もちろんだよっ、ふたりでたべたほうがおいしいもん」
幼「はい」パキッ
男「ありがとー」ニコッ
男「おいしいー」モグモグ
幼「…でしょ?」ニコッ
幼「おいしいものはふたりではんぶんこしてたべたら、もっとおいしくなるんだよ」
幼「ママが言ってたもん」
男「そうだね、ほんとだぁ」ニコッ
幼「…だから、なんでもはんぶんこしようね?ずっと」
男「うん!!」
幼「わたしとやくそくだよ?」
男「僕、やくそくするよっ!!」
幼「えへへ」
男「ふふっ」
……
…
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現在 男の部屋
ピュー
男「…窓が開いてる」
男「…またか」
男「…だが、姿は見えない…」キョロキョロ
男「…いつもどおり、おコタに隠れているなっ!」バッ
男「……」
男「いない…」
男「じゃあ、どこに…」
?「えっへっへ~」
?「私はここだぁっ!!」バッ
男「…!?」
ゴンッ
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?「…つぅっ~」
男「…何してんだよ、幼?俺のベッドの下で…」
幼「…いたいよ~、頭打っちゃったぁ…」グスグス
幼「いつもと違う登場の仕方で、男をびっくりさせたかったのにぃ…」
男「…毎回やられてたらびっくりなんてしないよ。いつもコタツや押し入れに隠れてさ」
男「今回、隠れ場所がベッド下になっただけだろ」
幼「…こぶができてないかなぁ…私のきれいな頭が傷ついたら男が悲しむもんね」サスサス
男「ふう…見せてみ」
男「…大丈夫、怪我してないよ」
幼「…ほんと?すごい痛いよ」
男「ああ、なんにもなってない」
幼「…じゃあ、なでなでして?」
男「…またか」
男「こう?」ナデナデ
幼「…うん、そう」
幼「…えへへ」
男「」ナデナデ
男「…もう、痛くなくなったかな?」ナデナデ
幼「うん!」ニコッ
男「そうか、良かったな」ニコッ
幼「ありがとね、男」
男「今日宿題でてたし、いつもどおり一緒にするんだよな?」
男「じゃ、そろそろ始めようか?」
幼「うん、やろっ」
幼「男っ、早く済ませて遊ぼうね」
男「うん、そうだな」
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……
男「宿題は数学と英語のプリントだな」
幼「いや~、頭脳明晰な幼ちゃんも、数学と英語は苦手なんだよねー」
男「…いつから、頭脳明晰になったんだよ?」
男「俺だって苦手だよ、数学と英語は…」
幼「でもでも、ふたりいればどうにかなるよ」
幼「苦労もはんぶんこするんだよ」
男「そうだな」ニコッ
男「いつもどおり、わかる問題で分担するか」
幼「おっけ~だよ」ニコッ
幼「私はこの問題とその問題を解くからね」
男「俺はこの辺りの問題にするよ」
幼「がんばろー!」
男「おーっ!」
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……
幼「」カキカキ
男「」カキカキ
幼「…結構進んだね」
男「ああ」
幼「ねぇ、男。カップケーキあるけど、食べない?私、お腹がすいちゃったんだよね」
幼「男の部屋に来る前に買ったんだ」
男「いいな、食べよう。一休みだな」
幼「うん食べよ。一休み。これね、味がたくさんあるんだよ」
幼「プレーン、チョコ、紅茶、メイプル…一つの味が一つしかないや」
男「…じゃ、頼む」
幼「うん」
幼「」チギリチギリ
幼「ちぎってはんぶんこしようね。こうすればふたりで全部の味、食べられるもん」ニコッ
男「うん」ニコッ
幼「宿題もはんぶんこだね」
男「楽々だな」
幼「ねーっ」
男「カップケーキもはんぶんこだな」
幼「おいしいね」モグモグ
男「おいしいな」モグモグ
幼「私、お茶いれるね」
男「うん」
幼「食べたら、宿題早く終わらして遊ぼうね」
男「おう、遊ぼうな」
……
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朝 通学時
幼「…あ~、さむ~いっ」
男「うん今日は特に寒いな」
幼「うん、雪降るかも」
男「かもな」
幼「もし雪が降ったら、いっしょに遊ぼうね」
男「うん」
幼「…それにしても…うぅ、寒いよぉ…」
幼「コートにマフラー、手袋、ちゃんと身につけてるのにぃ」
幼「」ブルブル
男「…そこまでか…幼はあいかわらず寒がりだな。そんなんじゃ、雪遊びできないぞ」
幼「え~、雪遊びはしたいよ~…でも、さむーい!」
幼「凍っちゃうよ~!」ブルブル
男「…なら」
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男「ほら、カイロあげるよ」サッ
幼「…いいの?男は寒くない?」
男「平気だよ。カイロ二つあるから」
幼「ありがと、男」ニコッ
幼「…カイロ、あったかぁ~い」スリスリ
男「ふふっ、よかったな」
幼「男の気持ちもあったかいよ~」ニパー
男「…恥ずかしいこと言うなよ…」
男「/////」
幼「えへへっ♪」
幼「…そうだ…」
幼「手、つなご?」
幼「カイロのお礼、私のあったかさもおすそわけ」
幼「男も寒いでしょ?」
男「…平気だよ」
男「…それに、通学路で通学時間に…目立つよ」
幼「私は気にしないよ」ニコッ
幼「男も暖かくなって?つなぐと手、あったかいよ」
幼「…それとも、私とじゃ、イヤ?」
男「…いやなわけないだろ」ギュッ
幼「…えへへ」ギュッ
幼「男、手あったかいね」
男「幼も暖かいぞ」
幼「カイロもはんぶんこ、あたたかさもはんぶんこ」
幼「ふふっ」
男「だな」ニコッ
幼・男「♪」ギュッ
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昼休み 学食
幼「…トンカツ定食と唐揚げ定食、どっちを食べようかな?」
幼「…う~ん…」ジーッ
男「高校一年生がお昼のメニューで悩み過ぎだぞ」クスッ
幼「ご飯は一日の活力源だもん。おろそかにはできないよ」
幼「…むむ」
男「…確かに迷うよな」
男「…そうだ」ニコッ
男「すみませーん、トンカツ定食ください」
男「…あと、唐揚げ定食も」
「はーい」
幼「男?」
男「…おかず、はんぶんこしようぜ」
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男「トンカツと唐揚げ、分け合って食べよう」
男「そうすれば、両方食べられるからさ」
幼「そうだね」ニコッ
幼「ありがと、男」
男「いや、俺も両方食べたかったからね」
男「…さっ、行こっ」
幼「うんっ!」
男「…つけあわせのポテトサラダはもらってもいいかな、好きなんだ」
幼「いいよ~」
幼「じゃあ、私はつけあわせのスパゲティちょうだいね」
男「ああっ」
帰り道
幼「ミスドでセールしてるね」
男「そうだな」
幼「何か食べようよ~、男~。最近ミスド来てないもん」
男「…確かにご無沙汰だね。うん、食べようか」
幼「行こっ」グイグイ
男「…あんまり手、引っ張んなよ。急がなくても平気だよ」
幼「早く、早く。お腹すいた」グイグイ
男「…待ちきれないわけね」
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幼「ドーナッツ、たくさん頼むぞー!」
幼「…エンジェルフレンチ、フレンチクルーラー、ポンデリング、オールドファッション…」ササッ
男「…どんだけ食べるんだよ、幼」
男「お昼ご飯もちゃんと食べたろ」
幼「この時間はお腹すくんだよっ。わかるでしょ?」
男「確かに」
幼「…それにお昼ははんぶんこしたから食べすぎてないし」
幼「トンカツ定食も唐揚げ定食もはんぶんこ…でしょ?」
男「まあね」
幼「当然、ドーナッツも…」
男「はんぶんこ…だな」
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幼「そういうこと」ニコッ
幼「じゃあ、席で食べようか」
男「うん」
男「…けっこう種類あるな」
幼「でもふたりならすぐ食べきっちゃうよ」
幼「男がいるおかげで食べすぎずに、無理なく、いろんな味が楽しめるね」
幼「ありがと、男」ニコッ
男「お互い様だよ。こっちこそありがとう」ニコッ
幼「えへへ~」
男「じゃ、はんぶんこしようか」
男「ドーナッツの公平なはんぶんこは難しいぞー。形が複雑だから」
男「特にエンゼルフレンチは、チョコが半分だけかかってるからな」
幼「ということは、私にお任せだねっ!」
男「おうっ、任せるぞ!幼のはんぶんこは正確だからなっ!」
男「任せたぞっ、幼!!」
幼「任されたっ!!」
幼「よし…」チギリチギリ
幼「やったー!!」
幼「エンゼルフレンチも、きれいにチョコのかかってるところが行き渡るように割れたよ♪」
男「やったな」ニコッ
男「さぁ、食べようか」
幼「うんっ!!」
男「」モグモグ
幼「」モグモグ
幼「ドーナッツもはんぶんこ。おいしいね」ニコッ
男「おいしいな」ニコッ
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幼「」モグモグ
男「」モグモグ
幼「…ん、おいしー♪」
男「やっぱりミスドはうまいなー」
男「…幼の食べ方かわいいな…ほっぺに手を当てて」ボソッ
幼「えへへ、そうだねぇ。ときどき食べたくなる味だよね」
男「だなっ」
幼「」ジーッ
男「…どうかしたか、幼?」
幼「…ううん、なんでもないよっ」
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別の席
カップル女「はい、あ~ん♪」スッ
カップル男「…うまいな」モグモグ ニコッ
カップル女 「ねぇ、私にもしてよ」
カップル男「じゃ、あ~ん」スッ
カップル女「おいしいね~」モグモグ ニコッ
カップル男「なっ」
……
幼「……」ジーッ
幼「……」
幼「」アゲ
幼「」サゲ
幼「」アゲ
幼「」サゲ
幼「」カアアッ
男「…ドーナッツを上げたり、下ろしたりして、どうした?」
幼「なんでもないよ…」
幼「……」シュン
男「……」
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男「…?」
男「」チラッ
カップル「♪」
男「!」
男 「…幼」チョンチョン
幼「…なぁに?」
男「あ~ん」サッ
幼「…ふぇ!?」
男「あ~ん」
幼「……」
幼「」パクッ
幼「/////」モグモグ
幼「…おいしい」ジワッ
男「そっか…よかった」ニコッ
幼「」テレッ
男「」ニコニコ
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男「」パカッ
幼「…男が口開けてる」
男「」ニコッ
幼「……」
幼「あ~ん/////」ササッ
男「ありがとう」パクッ
男「うまい」モグモグ
幼「…えへへ」
幼「…なんかしゃべらなくなっちゃったけど」ボソッ
幼「…この沈黙、居心地いいな」ボソッ
幼「」ニコニコ
男「」ニコニコ
幼宅 幼の部屋
幼「映画のDVD見ようよ、男ー」
男「いいよ。何見るんだ?」
幼「ハリポタ最終回。まだ見てないから借りたの」
幼「男も見てないよね?」
男「うん」
男「…でも、前後編か…長いな…もう夕方だぞ」
男「最後までは見れないだろうから、途中からは明日になるな」
幼「じゃあ、帰らないで、泊まっていったら?」
幼「…で一気に見よっ」
幼「最近、男、ウチに泊まってくれないよね…前はよく泊まっていったのに」
幼「みんな待ってるんだよ、男が泊まっていくこと」
幼「私も久しぶりに、夜ずっとおしゃべりしたいもん。明日休みだし…だめ?」
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男「…わかったよ、ありがとう。泊まらせてもらうな」ニコッ
男「今日はよろしく」
幼「やったー!!」ピョンピョン
幼「そうと決まったら、私いっぱい歓迎しちゃうよー♪」
幼「お母さんにも話しとくからねっ…お母さんも、きっとたくさんおもてなししてくれるよー」
男「…それはうれしいな。ありがとう、幼」ニコッ
男「…幼とはいえ、年頃の女の子の家に泊まるのは緊張するな…」ボソッ
幼「…そうだ。ねぇ、男。いっぱいお菓子食べない?」
幼「今から二人で買い出しに行こうよっ!!」
男「うん、行こうっ」
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コンビニ
幼「…うーん、ポップコーンとポテチ、どっちが映画見ながら食べるのに合うかな?」
男「一般的にはポップコーンだけど…」
男「両方買って食べればいいじゃん」
幼「そうだねー」ヒョイヒョイ
男「…ふむふむ」
幼「どうしたの男?」
男「肉まんとあんまん、どっち食おうかなって」
幼「両方買って食べようよ」
男「…確かに迷う必要はないな」クスッ
男「肉まん、あんまんくださーい」
ハーイ
幼「よし、早く帰ろうね」
男「おう」
アリアッシター
幼「やっぱりそとは寒いな~」
男「なっ」
幼「…手が冷たくなっちゃうよぉ」
幼「」フリフリ
幼「」チラッ
男「……」
男「/////」ギュッ
幼「…えへへ」ギュッ
男「ふふっ/////」テクテク
幼「おてて、あったかい…」テクテク
幼「やっぱりあったかさもはんぶんこ」
男「…ドキドキもはんぶんこ」ボソッ
幼「…何か言ったの?」
男「…いや、何も」
幼・男「」テクテク
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幼宅
幼「さっそくあんまんと肉まんをはんぶんこするよー」
幼「幼ちゃんの正確なはんぶんこテクを見せてあげるよー」
男「よし、任せたっ」
幼「任せされたっ」
幼「」チギリチギリ
幼「きれいにわれたー」
幼「どうぞ」ニコッ
男「ありがとう」ニコッ
幼「あんまんもはんぶんこ」モグモグ
男「肉まんもはんぶんこ」モグモグ
幼「おいしいね」ニコッ
男「おいしいな」ニコッ
幼「…男」ジッ
男「…ん?」
幼「口元にあんこ、ついてる」
男「…どこ?」
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幼「ここだよ」チョイ
男「…ここかな」チョイ
幼「違うよー、ここ」チョイ
男「こっちか?」チョイ
幼「…そっちじゃなくって…」
幼「……」
幼「ここ」ツン
男「うわ!?」(ほっぺつつかれた!?)
幼「あんこ取れたよ」ペロッ
男「うん…ありがと」(取ったあんこを舐めた…)
男「……」カアアッ
幼「…やりすぎちゃったかな」ボソッ
幼「……」カアアッ
……
テレビ「♪」
幼「映画おもしろいなー」
男「なー」
幼「ポテチとポップコーン、おいしいなー」モグモグ
男「なー」
幼「テレビで見ても映画って楽しいよね」ニコッ
男「だな」ニコッ
幼「映画館のスクリーンで見たら、迫力があってもっと楽しいよね」
男「うん。画面大きいし、音もリアルだからね」
幼「…そういえば最近、映画館に行ってないよね」
男「そうだな、前は2人でよく行ってたのにな…」
男「…じゃあさ、今度、映画館で映画見ようか?」
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男「でさ、なんか面白い映画があったら、二人で見に行こうよ…いいかな?」
幼「…そうだね。私もそろそろ大スクリーンが恋しいもん」
幼「いっしょに映画館、行こうっ!」
男「よし!決まりなっ!」
幼「楽しみだね」ニコッ
男「おうっ!」ニコッ
男「何の映画見るか、いつ行くかはおいおい決めような」
幼「うん!いっしょに決めよっ」ニコッ
男「ああ」ニコッ
幼「…えへへっ、デートの約束しちゃったー」ボソッ
男「…これってデートだよな…楽しみだなぁ」ボソッ
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……
幼母「ご飯よ~!」
幼「はーい!」
幼「キリがいいところまで見たし、続きはご飯食べてからね」
男「うん」
幼「行こっ」
……
幼母「今日は泊まっていくのよね」
男「はい。お世話になります」ニコッ
幼母「泊まってくれるのは、久しぶりだから嬉しいわ。ゆっくりしていってね」ニコッ
男「おばさん、ありがとうございます」
幼母「晩ご飯、いっぱい作ったから、男君もたくさん食べてね」
男「おばさん料理上手だから楽しみですよー。いただきますね」
幼「…えへへ~」
幼弟「…姉ちゃん、嬉しそう」
幼弟「…相変わらずわかりやすいなー」
幼弟「…待てよ…泊まるって…」
幼弟「…まさかな」
幼弟「……」モグモグ
男「いただきます」
男「」モグモグ
幼「」モグモグ
幼「…うぇー、ピーマン嫌いだなー…」
幼母「好き嫌いしないでちゃんとたべなさいよ」
幼母「あんた野菜いつも残すわよね」
幼母「そんなんじゃダメよっ」
幼「…はーい」
男「……」チラッ
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幼母「…さてと、お風呂沸いたか見てこないと…」ガタ
男「……」
幼「ふぇ…」(ピーマンたくさん)
男「」ヒョイパク ヒョイパク
男「」モグモグ
幼「…男っ」
幼「ありがと」ニコッ
男「/////」モグモグ
幼弟「…ふふっ」
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……
小学校時代
幼「…はぅ、給食食べきれないよぅ…」
幼「…全部食べないと休み時間、遊びに行っちゃいけないよぅ…」
幼「ぅぅ…」グスグス
男「…どうした幼?」ヒョイ
男「…泣いてるの?」
幼「…おとこぉ…給食がね…食べきれないよぉ」グスッ
幼「…もぉ、お腹いっぱいだよぉ…」
男「…貸して、俺が食う」モグモグ
幼「…男?」
男「…苦労もはんぶんこしないとな」モグモグ
幼「…おとこぉ」ジワッ
男「…泣くなよ。俺早く食べちゃうから、そしたら遊びに行こうな」ニコッ
幼「うん…ありがと、男…」ニコッ
……
男「素敵なことははんぶんこ」
男「…イヤなこともはんぶんこだろ」
幼「うんっ」
男「…じゃあ、時間が無くなる前に早く遊びに行こうか」ゲプッ
幼「…えへへっ、そうだねっ」
幼「ほんとにありがと、男っ」ニコッ
男「…どういたしまして」ニコッ
……
…
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現在
幼「…あの頃となんにも変わらないや」ニコッ
幼「…変えたいこともあるけど」ボソッ
男「」モグモグ
幼弟「…姉ちゃんが男さんをじーっと見てる」モグモグ
幼弟「…今日あたり、事態が動くかな…」
幼弟「…しっかり見届けないと…」フンス
……
幼「…映画見終わったね」
男「ああ、楽しかったな」ニコッ
幼「…さてとお風呂は入ったから、後は寝るだけだね」
男「…そうだな」
男「…幼、パジャマだな…可愛い」ボソッ
幼「着てもらったお父さんのジャージ、サイズ合ってる?」
男「合ってるよ。ありがとう」
幼「えへへっ、よかったー」
幼「…そろそろ、お布団敷くよー」
男「うん…」
幼「これが私の布団で、こっちがお客様用だよ」
男「……」
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男「…えっと…幼の部屋に泊まるの?」
幼「…そうだよ。じゃないとおしゃべりできないでしょ?」
幼「」キョトン
男「…うん…そうだな」
男「…いいのかな?」
幼「…早く敷くよー」
幼「」ゴソゴソ
男「」ゴソゴソ
男「…布団、できるだけ離すか」ボソッ
幼「…ん」ヨセヨセ
男「…寄せてきた」
■【深夜の告白】「はんぶんこ」の約束、その先にあるもの
暗くなった部屋の中、カーテンの隙間から差し込む月光が、二人の並んだ布団をぼんやりと照らしている。
さっきまであんなに饒舌だった幼は、布団に入った途端、急に静かになった。
五センチも離れていない距離から、彼女のシャンプーの甘い香りが漂ってきて、俺の心臓はさっきから全力疾走を続けている。
男「……幼、寝た?」
幼「……寝てないよ。男の心臓の音が、ここまで聞こえてきそうだもん」
暗闇の中で、幼がクスクスと笑う気配がした。
俺は顔が熱くなるのを感じて、掛け布団を鼻先まで引き上げた。
男「……そりゃ緊張するだろ。昔はよくこうして一緒に昼寝とかしてたけどさ、今はもう、お互い大人なんだし」
幼「大人……かぁ。ねえ、男。あの時のこと、覚えてる?」
幼の声が、少しだけ真面目なトーンに変わった。
幼「給食を食べきれなくて泣いてた私に、男が言ってくれた言葉。『苦労もはんぶんこ』って。あの時から、私のヒーローはずっと男なんだよ?」
幼弟くんの「現場レポート」
さて、ここで隣の部屋で聞き耳を立てている幼弟くんの様子を覗いてみよう。
幼弟(……始まった。姉ちゃんの『昔話からの外堀埋め作戦』だ。男さんもタジタジだけど、あのアホみたいに正直な性格、ここでどう出るか……。ふふふ、カメラの準備はできてるぞ)
幼弟は、ドアの隙間に全神経を集中させていた。
彼にとって、この二人の進展は長年の「観察対象」であり、姉の幸せを願う弟としての使命でもあったのだ。
■【衝撃の進展】「はんぶんこ」から「ふたりでひとつ」へ
男「……覚えてるよ。あの時、実は俺もお腹いっぱいだったんだけどな。でも、幼の泣き顔を見るほうが、お腹がはち切れるより辛かったんだ」
俺が正直に白状すると、幼が布団の中でモゾモゾと動いた。
そして、冷たいはずの手が、俺の熱い手にそっと重なった。
幼「……ずるいよ。そういうこと、さらっと言うんだもん」
男「幼?」
幼「ねえ、男。今まで『素敵なこと』も『嫌なこと』も、たくさんはんぶんこしてきたよね。……でも、これからは、はんぶんこじゃ足りないかもしれない」
幼の手のひらに、ぎゅっと力がこもる。
幼「男が持ってる全部を私が半分もらうんじゃなくて……二人で一つの『これから』を作っていきたいの。……伝わってる?」
俺の脳内は、まるで小学校の給食時間に大好物の揚げパンが出た時のような大パニックに陥った。
でも、そのパニックの先にある答えは、ずっと前から決まっていたんだ。
男「……伝わってるよ。っていうか、俺も同じこと言おうと思ってた」
幼「えっ?」
男「俺、ずっと幼の隣にいたい。はんぶんこにする苦労すら、全部二人で背負っていけるような……そんな関係になりたい」
俺は勇気を出して、重なっていた幼の手を、指を絡めるように握り返した。
ネット民も悶絶!?「幼馴染の勝利」
この展開をもし掲示板に書き込んだら、住人たちはこう叫ぶに違いない。
「きたああああ! 幼馴染最強伝説!」
「給食のはんぶんこが、人生のはんぶんこに昇華した瞬間を見た」
「弟くん、今すぐ赤飯の準備をしろ! お前の姉ちゃんが勝ったぞwww」
そう、これは長すぎた助走を終えて、二人がついに飛び立った瞬間だった。
■【翌朝】新しい日常の始まり
翌朝。眩しい朝日の中で目を覚ますと、すぐ隣で幼が幸せそうに寝息を立てていた。
昨夜の出来事が夢じゃなかったことを証明するように、彼女の指はまだ俺のパジャマの裾を少しだけ掴んでいる。
キッチンからは、トントンと軽快な包丁の音が聞こえてきた。
幼弟「あ、おはようございます男さん。……あー、その顔。事態は無事に『解決』したみたいですね?」
男「……ああ。お騒がせしたな」
幼弟「いやいや、こっちこそ特等席で見せてもらって最高でしたよ。ほら、姉ちゃん起こしてきてください。朝ごはんは、三人で『はんぶんこ』……じゃなくて、仲良く食べましょう」
幼弟のニヤニヤ顔に、俺はまた顔を赤くしながら、ゆっくりと幼の肩を揺らした。
男「幼、朝だぞ。……これからずっと、毎日一緒に起きような」
幼がゆっくりと目を開け、俺の顔を見て、世界で一番綺麗な笑顔を見せた。
幼「うんっ。おはよ、男。……大好きだよ」
お互いの「大好き」をはんぶんこして、二人の新しい物語が、ここから始まっていく。
【※告白※】男「ずっと前から好きでした!付き合ってください!」幼馴染「せっかくさぁ、こんないいムードなんだから、もうちょっと」
