後5歩、4、3、2、1。
男「・・・ふう」
ようやく一番前の窓に手が届いた。さっきの女は青い顔をして突っ立っている。
男「・・・あとは、侵入するだけってうわぁぁぁあ」
足が滑った。何とか窓のサッシを両手で掴んだが足元の出っ張りが見つからず足が宙に浮いている。
「きゃぁぁぁぁ!」
体育教師「う、うわぁぁあ!ちょ、ば、か。おま、まってろおぉぉ!」
目に汗が入って染みる。ヤバイ、心臓の音が聞こえる。まずい事に掌が汗で濡れてきていて、今にもサッシから手が滑りそうだ。
友「ちょ、おま!」
女「・・・どうしたの、って!お、男君!!助けないと!」
誰かが俺の手を掴み、引っ張り上げている。
女「誰か!手伝って!お願い、お願いします!大切な人なの!」
「あ、うん。」「おう!」
女「せーの!」
たくさんの人が俺の腕を掴んで、引っ張っている。正直
男「ちょっと痛い」
友「ゆうてる場合か!」
みんなの努力の、かいあって落ちずにすんだ。
「お前、馬鹿!」「ちょー怖かった!」「馬鹿かお前は!」「嫌な汗かいたわ」
女「・・・」
男「あ、の」
体育教師「ちょ、ちょっとこいそこの糞馬鹿野郎!!」
結局、昼飯を食えずに体育教師に指導室まで連れていかれた。