女「ええ。一週間前に父から電話があったんですけどね。なんでも例の硝子片をアクセサリーにしてもらうよう父に依頼したそうです。…多分このごたごたの事を、青春の1ページとしていつまでも綺麗な思い出に、ってところでしょう」
男「…」
女「父の作業速度から考えて、アクセサリー程度なら丁度一週間くらいで仕上がります。それに今日は休日ですし、幼なじみさんは今日受け取りに行ってる可能性が高いです」
女「…早く行ってあげて下さい?女の子って結構意味づけを大事にする生き物です。そこに、もう全てを諦めた事の象徴のようなものを受け取ったら…。幼なじみさんがどんな心構えになるか…わかりますよね?」
男「…っ!」バンッ
タッタッタッタッタッタッタ…
女(…そうです、それでいいんです…………私の…気持ちなんか…)
硝子細工の店前
男「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」タッタッタッタ…
男「!!幼なじみ!」
幼「…あれ?男君…?」
男「はぁ…はぁ…幼なじみ…はぁ…はぁ…」
幼「…どうしたの…?」
男「…はぁ…はぁ…はぁーっ…あの…アクセサリーって…もう受け取った?」
幼「え?どうして男君がその事…?」
男「女さんに聞いた。これから、受け取るの?…それとも、もう?」
幼「…もう受け取ったよ。ほら、この紙袋」
幼「…もう受け取ったよ。ほら、この紙袋」
男「………ぁ」
幼「…うーん、男君もいるし今ちょっと開けて見てみよっかなー…」ガサゴソ
男「あ、開けちゃだめだっ…」
幼「…………あれ……これ…って」
男「……え?」
幼「…ペンダント……だけど、どうして…硝子玉が…」
男「…あっ…それは…」
幼「…これ、もしかして男君の硝子玉?」
男「うん…多分…。ちょっと前に、なんだか自分だけ持ってるのが嫌になって…返しにきたんだ」
男「うん…多分…。ちょっと前に、なんだか自分だけ持ってるのが嫌になって…返しにきたんだ」
幼「そっか…。……あ、ここのちょっと出っ張ってる部分…ここに私の硝子片をくっつけてくれたのかな…。……きっとそうだよね…こんな…色なんだし…」
男「…………すごく…綺麗だな…」
幼「…うん…………不思議だね………最初から虹色なんて……」
男「光を当てたら、もっと綺麗な虹が見れるのかな…?」
幼「……うん…きっと…そうだよ…」
男「……そっか…もっと…綺麗な虹…見てみたいな…」
幼「……うん…私も…」
男「……………あのさ、幼なじみ……。俺さ……本当は幼なじみの事が………」
end
出典:http://ayamevip.com/archives/39329628.html