男「…なに?」
女「…私がヤクザの頭をしてる事はもう話しましたよね?…それで、そちらの方で最近問題が出てきてしまいまして…」
男「…そう、なんだ…」
女「ええ…それで、ついては男君に頼みたい事があるんです」
男「…どんな?」
女「男君のお爺さん…男君は知らないとは思いますが、ヤクザの世界で知らない人はいない、伝説のお人なんです。それで…お爺さんの方に男君の方からお口添えしていただけないかと」
男「…そんな、あのじーさんがそんな人だなんて…」
男「…そんな、あのじーさんがそんな人だなんて…」
女「信じられないのも無理はないです。…でもお爺さん、本当にすごい方で、今では男君がご存知の通り現役はとっくに退いて隠居されてるようですが…今でもその影響力は、日本全国のヤクザの重鎮を一声で動かすほどだと思います」
女「…その影響力があれば…うちの組が抱えてる問題だって、今すぐにでも解決できるんです。…お願いします、男君。男君を危険な目には合わせませんから…」
男「…そんな事、言われても」
女「わかってます。もちろんなんの見返りもなくとは言いません。…ですから今日ここで、私の事抱いてもらってもかまいません」
男「えっ…」
女「…私が誰にでもこういう、自分の体を使って事を推し進めるような行為をしてるとは思わないで下さいね…?私、処女ですし…。…男君にだったら抱かれたいと思ったから…こんな事してるんです」
男「…」
女「男君も年頃の男の子なんですから、興味ありますよね…?ほら、どうですか…?…おっぱい、触ってみます…?」モミュン
男「っ…!」
女「うふふ…触り心地はいかがですか…?モミュムニュ …それとも直に触らないと満足出来ませんか…?」
男「…やめろぉっ!!」バッ
女「あ……男…君…?」
男「…ごめん」
女「あ…すみ…ません…男君、こういうの、嫌いでした…?」
男「……………俺、さ」
女「…はい…?」
男「…………俺…ほんとは……」
男「………幼なじみが好きなんだ」
女「……………」
男「………ほんと、ごめん…」
女「…………そうですか」
男「……………ほんと…ごめん……」
男「……………ほんと…ごめん……」
女「………………………………はあー、どうしてこの土壇場で意思が強くなるんでしょうね…いえ、土壇場だからこそなんでしょうか」
男「……女さん…?」
女「知ってましたよ、男君が幼なじみさんの事好きだって事ぐらい。みえみえですもん。気付いてないのは当の幼なじみさんくらいなものですよ?しかもその逆もしかりときてます」
男「………」
女「はあ、すっかり興が冷めました。もういいです。私、本当は男君の事好きじゃありませんし。…ただ利用する為に近づいただけですから」
男「えっ…」
女「あ、驚きました?いやあ、内心バレてるんじゃないかなって結構肝を潰してたんですけどね。それほど私の演技が堂に入ってたって事でしょうか」
男「女、さん…」
女「はい、ご察しの通り私は嫌な女です。白状すると、硝子玉を割ったのも私ですしね。私、利用できる事ならなんでもする性格なもので」
男「…」
男「…」
女「…はあ。今日はもう疲れました。出てってくれますか?…それと、幼なじみさんのところに行ってあげたらどうです?彼女今頃泣いてるかもしれませんよ?」
男「えっ…それってどういう…」