女「私、結婚しようかな、って思ってるんだ」
女「私、結婚しようかな、って思ってるんだ」
男「・・・・そっか。よかったな。おめでとう」
なったのも、男君が取り持ってくれたからだし。あ、お砂糖ちょーだい」
男「んっと、はいよ、ほれ砂糖。・・・しかし、本気かよ。まだお前も
21歳になったばっかりだろ?」
女「善は急げっていうしね」
女「まさかぁ。普通に卒業するまで通うよ」
男「住むところはどうするんだよ」
女「まだなーんにも決めてない」
男「あいつの両親に挨拶とかは?」
女「そんなの、まだぜーんぜん。彼と結婚しようって話になっただけ」
の合意によってのみ成立するんだよ」
男「なんだよ、幼稚園児が『将来●●くんのお嫁さんになるー』とか
言ってるのと同じレベルだな」
女「むむむ、なんか馬鹿にされた気がする。本当に結婚するんだから、彼と」
男「直情径行猪突猛進、なんぴとたりとも俺の前を走らせねえ、って感じ
だな。さすがだよ。お前らしいよ」
女「なんか突き放されてるし。もしかして機嫌悪い?」
男「・・・・別に」
女「そんなにツンツンしてると女の子にもてないぞ?」
男「お前には関係ないけどな」
女「そんなことないわよ。男君狙ってる子結構知ってるよ。少なくとも3人は
いるわね。今度紹介してあげるね」
女「ふふふ、照れちゃってー。どんな子が好みなの?かわいいアイドル系?
美人委員長系?活発妹系?あー、さては・・・」
男「は?」
女「黒髪貧乳ロリ体型系なんだー。やだー、へんたーい、ロリコーン」
男「・・・そんじゃ、まあ帰るわ。ここの金、お前払っといてくれよな」
女「あー、スルーしたな!しかもこの私がハッピー状態なのにほったらか
して帰ろうとしている!」
物付きあってよ」
男「やだ」
女「つ、き、あ、っ、て、よっ!」
男「やぁーだ。なんで人妻予備軍の買い物エスコートしなきゃならんのさ。
俺は帰る。じゃあな」
女「・・・・。本当に帰っちゃったよ。コーヒー半分残ってるじゃん。
もったいない」
女「やっほー!」
男「よお。すっかりスーツ姿が板についてきたな。仕事ができる美人キャリアウーマンに
見えるぞ」
女「きゃぴきゃぴ新入社員ルックで固めたつもりだったんだけど、そんなに落ち
着いて見える?見えるとしたら微妙にショックかも」
男「新入社員はちょっと無理だな。でもまあ、少なくともバツイチには絶対見え
ないから安心していいよ。すみません、ジントニックください」
サンライズを」
男「で、俺はなんで呼び出されたわけ?単に俺と飲みたかっただけじゃ
ないんだろ?」
女「さすがね。伊達に古い付き合いじゃないわね」
女「実はね・・・・」
女「・・・・私、結婚しようかな、って思ってるんだ」
男「・・・・そっか。よかったな。おめでとう」
女「・・・・なんか反応薄いわね。でも、ま、男君のおかげだよ」
男「なんで俺のおかげ?」
女「まあ、その、ほら、ね。前の旦那と離婚する時いろいろ助けてくれたしね。うん」
男「ああ。そのせいで俺は友人を一人失ったけどな」
女「・・・・ごめん」
男「あんまり気にすんなよ、過ぎたことだし。それより、相手は誰なのよ」
女「会社の先輩。付き合って3ヶ月ぐらいなんだけど、先週プロポーズされ
ちゃたのよね」
男「ふーん。あいつと離婚してまだ1年なのに。正直すごいと思うわ。まあ、
なんだかんだでお前魅力的だもんな」
女「あれ?もしかして普通に褒めてくれてる?嫌味か皮肉が来ると思ったのに」
男「俺はそこまでニヒルじゃないよ。しかし、これから結婚するまでやる
こと山積みだな」
私一度経験してるしね」
男「それ、まったく自慢になんないから気をつけろよ。特に相手の男と家族の
前ではな」
女「ふふふ、そうだね。ご忠告ありがとね」
男「・・・ところでだな」
女「ん?なに?」
男「あのー・・・・、そのー・・・・、なんだ・・・・」
女「なによ、もったいぶって」
男「・・・・俺も9月に結婚することになって・・」
女「えー!!??なにそれ??どーゆーこと!?相手は誰!?どこで知り合ったの?」
女「かわいいの?黒髪貧乳ロリ体型なの??ロリコン??ロリコンなんだ!サイテ―!!」
男「ば、ばか、なに興奮してんだよ。でかい声出すな、恥ずかしいんだから。
そもそも人の結婚相手を勝手に脳内で再生するな」
女「はぁはぁはぁ、あー、びっくりした。過去10年で最大級の驚き」
女「・・・でもまあ、男君、見た目クールだし、なんで彼女の一人も作らないのかなって、大学時代から不思議に思ってたのよね」
女の子がほっておかないよね。会社の子なの?」
男「いや。大学の時の、ほれ、あの後輩ちゃん」
女「ぶーっっっっ、げほげほげほっ。吹いた!ホントに吹いた!!」
女「後輩ちゃんだってえ!?ちょっと、男君、いつから付きあってたのよ!
返答次第では、今すぐこの場で刃傷沙汰で阿鼻叫喚よ」
男「なんか、日本語おかしいぞ。だいたいなんでお前が暴れなきゃならんのか
が理解できん」
女「男君、ホント水臭いよねー。大学時代から隠れて付き合ってたなんて、裏
切られた感満載よ」
女「え?そうなの?それ聞いてちょっと安心したわ。それよりも、後輩ちゃんて
モロ典型的黒髪貧乳ロリ体型じゃない。」
女「しかも色白、パイパン、処女の超豪華三大おまけ付き!」
男「ばか、パイパンなわけないだろ。というか、女性のセリフとは思えないこと
いうなよ」
女「あら、しっかり確認済みなのね。しかもパイパンだけしか否定しないのね」
男「・・・・今、俺はものすごくこの場から消え去りたい」
男「お前は来てなかったけど、去年のGWにさ、友男の結婚式あっただろ?」
女「ああ、あの離婚直後の縁起の悪い私は遠慮したやつね」
男「・・・・あ、悪かった」
女「そんなとこで謝ってどうすんのよ」
男「いや、まあ、思い出させちゃったかなと思って」
男「とにかく、その結婚式の二次会終わった後、同じ方向だったから送って
行ったんだけどな」
女「ぱっくり頂いちゃったわけ?きゃー、送り狼だー。エロおそろしいー」
後輩ちゃん、かなり無口だろ?」
女「んー、そうだねー」
男「その後、しばらくはぽつぽつメールのやり取りをしてたんだけど、そのうち
付き合うようになった、ということ」
女「なるほどね。後輩ちゃんかあ。・・・・うーん。・・・・ねえ、男君、
聞いていい?」
男「なんだよ、急に改まって」
ちゃんちょっと悩んでて、男君が相談に乗ったり慰めたり励ましたり、って
いうような展開だったんじゃない?」
男「よく分かったな。まったくもってその通り。驚いたぞ、わりとマジで」
女「・・・・あのさ、男君・・・」
男「ん?なに?」
女「・・・えーと・・・・。・・・・うーん・・・。・・・・やっぱりなんで
もない」
男「はい?」
男「なんか言いかけてやめるなよ、気持ち悪いなあ。それじゃ、ラーメンでも
食って帰るか?」
女「・・・・やめとく。太るから。ダイナマイトバディになっちゃうと取り返
しつかないから」
男「そんなこと言うなよ。お前が遠慮するなんて。おごるから食って帰ろうぜ」
女「やー、めー、とー、くー。遠慮なんかしてないもんねー。べーっ」
男「なんか支離滅裂だな、今日のお前」
男「よいしょ。メニュー選ぶのも面倒だからコースにすっか」
女「いいわね。うーんと、Bコースにしていい?」
男「いいよ。あとワインは適当に選んで。俺ワインの味わかんないし」
女「すみません、Bコースを。それと赤ワインをグラスで。ええ、適当におま
かせします」
女「男君と食事に来るのも久しぶりね。元気だった?」
男「まあ体力的にはね」
女「精神的には、って聞かぬが花かしら?」
男「察してくれてありがと」
男「うーん。まあね」
女「・・・・実はね」
男「うん?」
女「・・・・なんとなくね、予想どおりだったんだ」
男「俺が離婚したこと?それとも、あいつ・・・、元嫁のメンヘラ気質のこと?」
女「どっちも」
んだな」
女「あの時のこと覚えてるのね。言おうかどうか相当迷ったんだけどね」
女「結婚決まった人に対して『後輩ちゃんは、メンヘラっぽいからやめときな
よ』なんて、どう考えても言えないよね。ただの中傷になっちゃうもん。」
男「なんか気遣わせて悪かったな」
女「私ね、男君が苦しんでるって聞いてすごい後悔した。あの時言ってあげれ
ば良かったなあって」
う。俺も結婚て言葉に舞い上がっていたし」
女「・・・・・なかなか上手くいかないもんね。男と女って」
男「それを言ったらおしまいだけどな」
女「ふふふ。なんか私達も歳を取ったわね」
男「まったくだ」
男「・・・・なあ」
女「んー、なあに?」
男「・・・・聞いてもいいか?」
女「いいわよ。先輩と結婚しなかったことについてでしょ?」
男「さすが話が早いな。なんでだめになったんだ?婚約までしたのに」
男「やっぱりそうか」
女「初婚じゃないことなんて、どうしようもないじゃない?私の努力でなんと
かなることだったら頑張って直すけど」
男「・・・・。なんか悪かったな」
女「ん?なにが?」
男「ちょうどその頃さ、俺、ヤンデレにまいってて全然お前の話聞いてやれな
かったからな。きっとお前のことだから、俺に愚痴るつもりだったんだろ?」
女「ご名答。実は2回ほど男君の携帯に電話かけちゃったのよね。そしたらさ」
女「そう。1回目はあれ?なんで後輩ちゃんが出ちゃったの、と思いながら適当
に世間話して切った」
女「半月後ぐらいにかけた2回目は私もちょっとね、んー、なんていうか、半
泣き、みたいな感じだったから、んー、余裕なくてね」
男「男くーん、私もうだめかもー、って涙声でいきなり言ったらしいな」
女「やめてよ。恥ずかしいじゃん。すぐそうやって人の古傷をえぐるんだから」
男「いやいやいや、それ、どっちかっていうと俺の生傷。その夜、一晩中泣か
れてさ。まさに阿鼻叫喚だった」
元嫁のメンヘラ度が上がって行ったな。おかげでお前に限らず女性に対し
て電話がまったくかけられなくなった」
女「そうだったの?そんなにひどかったんだ・・・・。好きな人の携帯を隠し
ておいて、かけてくる人をチェックしたりするっていうようなの?」
女「あー、分かった。それであんな普通は仕事している時間に後輩ちゃんが男
君の携帯持ってたのか。」
男「泣いてる女性から電話がかかってきたらメンヘラじゃなくてもびっくりす
ると思うけどね。」
女「別れた奥さんでも悪くいうのは忍びない、ってことかしら?優しいのね、
男君は」
女「・・・・後輩ちゃんは男君が好きになりすぎちゃったんだろうね」
男「・・・・なんか、今日のお前やけに冴えてるな。・・・・多分それで正解
だと思う」
余っちゃうんだってな」
男「しかも元嫁は頭が良くて几帳面で無口で内向的。その結果、俺のいない持
て余した時間に、疑問と不信感が頭の中で勝手に増殖していく」
男「それで、会社に行く前に俺の携帯を隠しておいて、かかってくる電話を
チェックするようになる」
男「そこにお前が電話をかけてきた。不信感がアップしたところに2回目の泣
きの電話で火がついちゃった、って感じだったんだと思うのさ」
たことになるね。・・・・本当にごめん」
男「いや、それは違うよ。間違っても責任感じたりするなよな」
男「俺と元嫁の結婚生活が上手くいかなかったのは、誰のせいでもない」
男「あんまりこういう言い方したくないけど、組み合わせが悪かったか、タイ
ミングが悪かったかのどっちかなんだよ、きっと」
男「お前の結婚話も多分タイミングが悪かったんだと思うよ。タイミングだけがね。」
女「親の顔色ばっかり伺ってる先輩を見てるうちに、すっかりさめちゃってね」
女「結局、私から結婚やめますって言っちゃった。」
女「なんかさっぱりして妙にダメージが少なかったのに自分で驚いたわ。百年
の恋も冷める、ってやつね。」
女「私、もう結婚しなくていいかな、って思ってるんだ」
男「そうだね。おおむね賛成。その言葉に乾杯しとこうか」
女「ん。かんぱーい」
女「お邪魔しまーす」
男「どうぞ。しかしこれは買いすぎじゃないか?二人で食べ切れるのか?」
女「楽勝よ、これぐらい。そもそもお鍋が食べたいって言ったのは男君なんだ
からね。よいしょっと。あら、意外にきれいにしてるのね」
男「普段部屋にあまりいないだけだよ。まあ、座りな」
女「ん。ありがと。しかし、男君とは長い付き合いだけど、お部屋に入れても
らったのはもしかして初めてじゃない?」
男「うーん、そうかな。大学の時の下宿に来たことなかったっけ?」
たでしょ」
男「・・・あいつの部屋の方が広かったもんな」
女「今、やばいこと言っちゃった、って思ったでしょう?」
男「・・・悪かった。まじで悪かった」
女「全然ノープロブレムよ。もはや歴史の一部でしかないわ。というか、私最
近、元旦那と結婚してたことすら忘れかけてるもん」
男「あんまり俺以外にそれは言わない方がいいぞ。1年半とは言え、お前たち
が夫婦だった歴史的事実は消えないしな」
男「就職して最初の勤務地が離れちゃったもんな。あの時、あいつとお前の勤
務地が離れていなければ、歴史は変わってたんじゃないか?」
女「男君、知ってる?歴史にたらればは禁物なのよ。ただ、あの時私、元旦那
と離れて暮らしてても、全然淋しくも悲しくもなかったのよね。私も社会
人になりたてでいろんなことが新鮮だったし」
女「ものすごく他人事のように言うとね、元旦那と心が離れた、というのは正
しくないの」
女「もともと一つになっていなかったの。それが、私が出したあの1年半の結婚
生活に対する総括」
男「残酷なまでに冷静だな、お前って」
男「うん。みんな20歳そこそこだったからな」
女「・・・・そうね。なんか感慨に浸っちゃうな。ま、とりあえず準備をしま
すか。キッチン貸してね」
男「手伝うよ」
男「・・・さて。どうせお前のことだから俺が何を聞くか分かってるんだろ?」
女「まあね。なんで会社辞めたのか、でしょう?」
男「ん。正解。婚約不履行食らっても辞めなかったのに、どうしてこのタイミ
ングで辞めるんだ?」
女「答える前にさ、そのー、隠す気はないんだけどね。答えを聞いてどうする
つもりなの?」
男「・・・それを聞かれると返答に困るな。強いて言えば、お前の行動は大体
予想が付くんだけど、今回はあまりに予想外だったんで理由が知りたいってとこかな」
変態?ストーカー?盗聴したりしてないでしょうね?」
男「いやいやいや。変なちゃかしを入れるなよ。お前仕事もできるし、見てく
れもいいし、十分会社でずっとやって行けるはずなのに、もったいないと
思っただけさ。なんか嫌なことでもあったのか?」
女「嫌なことなんて会社では日常的にあるけど、それもお給料のうちだからね。
そんなのでは辞めないよ。あ、もうできたわね。んー、と、はい、どうぞ」
男「ありがとう。いただきまーす。あちちっ、」
女「いただきます。ふふふ、慌てなくても肉は逃げないわよ」
女「婚約不履行くらった哀れな女、って見られるのが嫌で意地はって仕事する
のにね。」
男「・・・・そっか。でもそれだけじゃないだろ?」
女「うん。他の理由もあると思う。でもね、今のところ自分で説明できる理由
はこれだけなの。なんとなく、意地のために仕事を続けて年を取って行く
のが嫌だった、って感じかな」
男「ふーん、なんとなく分かる気がする」
女「アメリカ留学でもしようかな。それとも転職先を探そうかな。まだなーん
にも決めてない」
男「・・・・。なんか大学時代のお前に戻ったみたいだな」
女「ふふふ。そう言えば最初に結婚を決めた時もこんな感じだったかもね。先
のことなんか一切考えていなかった」
男「ああ、そうだな。お前、周りの迷惑も、自分が被るだろう不利益も、なん
にも見ないで自分の進む方向だけ見てたもんな」
女「やめてよ。そんな風に言われると、過去の悪行を暴かれてるみたいで恥ず
かしいじゃない」
男「でもな、お前のそういうまっすぐで純粋なとこ、俺は好きだったんだぜ」
男「ん?どうした?」
女「・・・・このタイミングでそのセリフは反則よ」
男「え?何を非難されてるのか分からん」
女「じゃあ、私も爆弾発言してあげる。お返しよ」
男「はい?」
女「結婚のこと毎回あなたに一番最初に報告してたでしょ」
女「今になって冷静に自己分析してみるとね」
女「どうやら、あなたに『やめとけよ』って止めてもらいたかったみたいなの」
男「・・・・」
女「ふふふ。自分の行動が分かってないなんて子供よね」
女「でもね。結婚するっていう人に向かって、やめとけ、なんてとても言えな
いことも分かったの。この上なく身に染みる形でね」
女「それだけ私が子供だったってことかな」
男「・・・・・」
男「・・・・なあ」
女「ん?なあに?」
男「・・・・お前さ、留学も転職もさ、」
女「ん?」
男「・・・・やめとけよ」
女「え!?」
男「・・・・・そんなのやめてさ・・・・」
女「・・・・・」
男「俺と一緒に暮らさない?」
女「・・・・・男君らしいのね。・・・・・ぐすっ、」
男「・・・・・」
女「・・・・・ぐすっ。こういうシチュエーションは何度か経験あるけど・・・・、」
男「・・・・・」
女「・・・・・ぐすっ。泣いちゃったのは初めて・・・かな」
男「・・・・・」
女「・・・・・ぐすっ。・・・・男君、」
男「ん?なに?」
男「・・・・・」
女「・・・・・」
男「・・・・・」
女「・・・・・それって、プロポーズしてるの?」
男「・・・・・いや、もう結婚しなくていいかなって思ってるんだろ?だから
同居しようって誘ってるだけ」
・・・・今さらだけどね・・・・」
女「・・・・・結婚したいな、って思ってるんだ」
娘「いただきまーす」
母「はい、どうぞ。社会人は疲れるでしょ」
娘「まったく疲れるわね。きっとこの苦労は専業主婦のお母さんには分かって
もらえないんだろうな」
母「あら、娘ちゃん。それは心外ね。お母さんにも花のキャリアウーマン時代
があったのよ」
娘「えー、そうなのー?そんなの初めて聞いたー。想像できないな」
母「ふふふ、お父さんに聞いてごらんなさいよ」
娘「・・・・あのね、お母さん」
母「なあに?」
娘「・・・・私、結婚しようかな、って思ってるんだ」
母「あら、そうなの。よかったわね」
娘「・・・・なんか、反応薄いなあ。普通は興奮するか、驚愕するか、質問攻
めするかじゃないの?」
母「だって娘ちゃんの人生だからね。それともお母さんになにか言ってほしい
ことでもあるの?」
娘「・・・・別にない。事実を報告しただけだもん」
母「ふふふ。素直じゃないわね。じゃあ、ひとつだけアドバイスしてあげる」
母「あなた、その話、お母さんに言う前に誰かに話した?」
娘「うん。友達に話したよ」
母「男性のお友達なんでしょ?」
娘「・・・・よく分かったわね。驚いたよ、わりとマジでね」
よーく考えてみなさいね」
母「それが分かるまで結婚は保留した方がいいとお母さんは思うわ」
母「そうしないとね、・・・・・・すごい遠回りになるから」
娘「・・・・そうなの?なんかよく分かんない」
母「ふふふ。それが分かんないならまだ子供ってことよ」
おわり
男「てめー、何回俺から結婚祝い持ってくつもりだ。結婚祝い詐欺、志ね、糞ビッチ」
ってのを書くつもりだったのに、どーしてこうなった?登場人物が勝手に盛り上がって
勝手にひっつきやがって、作者の俺が一番驚いてます。
読んでくれてありがとね!