なんと後輩さんが
彼氏とその両親のような人と
歩いてくるではないですか?!
ホテルスタッフが先導してることから、
これは式場の下見というやつじゃないのか?
もうね、目が点。
口はポカーン。
その場をやり過ごそうと
思ったんですけど
無意識にズバッと勢いよく
立ち上がって しまいました。
一瞬にしてロビー中の注目を浴びる俺。
当然、彼女と彼氏もこちらを見ます。
これはマズイ。
俺は急いでトイレ方面へダッシュします。
彼女たちの視線を感じますが
そちらへ目を向けることなく一目散。
個室に入ってガクブルしながら
声を上げないように
ヒックヒックと泣きましたよ。
その後のことはよく憶えてません。
抜け殻でしたから。
ホテルでの遭遇から一週間。
悶々とした日々を
過ごしてたところにメール着信。
話がしたいと彼女から。
正直、迷いました。
会って今更なんの話かと。
言い訳なんて聞きたくないし、
結婚の報告なんて絶対に聞きたくない。
だから返信をせずに放置してたんです。
そしたら音声着信。
これも無視しました。
というか何を言われるのかと考えると
怖くて電話に出ることができませんでした。
翌朝、またメール着信。
「あの公園で待ってます」
それだけのメッセージ。
日付も時間もなにも書いてない。
いったいいつのことだよ?
また来年のホワイトデーにでも
会おうとか言うんじゃないだろうな?
もし今日のことだったら
平日で仕事あるし。
朝から普通に仕事をするわけですが
気になって仕方がない。
ついつい何度も携帯を取り出して見るわけです。
そしてとうとう我慢し切れなくなって、
上司に早退を申し出ると
あの公園へ向かうことに。
って、車を飛ばしても
2時間以上かかるんですけどね。
でも、気になったまま放置したら
同じことを繰り返すだけだと思ったんです。
せっかく恩師が作ってくれた
ワンチャンスなんですから。
白黒つけてやろうじゃないの!
到着したのは夕方、
ちょうど中坊の俺が彼女を夢中で
撮影していた時間帯。
ところがその日は土砂降りの雨。
いくらなんでも
こんな中で待ってないよなぁ~
と半信半疑ながら例の場所へ…
彼女は…公園の東屋に座ってました。