ある日、一戦終えてベッドでイチャイチャしてる時に
、
体の傷と家庭環境のことを告白された。
実は取締役は義理の父親で、実際は遠い親戚にあたる。
中学生の頃まで実の両親に虐待されながら育って、
体の傷は熱湯かけられたり包丁で切られたりした時のもの。
肺が破れて死にかけてようやく親から引き離され、
施設経由で子どものいなかった今の両親に引き取られて、
通信高校出てからそのコネで入社して、
義両親に恥かかせたくないから今まで必死に頑張ってきた。
それを泣いて時々嘔吐しながら
三時間ぐらいかけて全部話してくれて、
俺が真っ先に思ったのは
「すげえなこの人」だった。
人間性歪んでも当然なのに誰にでも分け隔てなく優しいとか、
高卒しかも通信なのに大卒以上に仕事バリバリこなせるとか、
親のこと鼻にかけず真面目に仕事してるとか
結構きわどいところまで傷痕あるのに
外から全くわからないコーディネートしてるとか、
吐いてまでつらい過去告白しなくてもいいのに
初志貫徹して全部やりとげるとか、
嫁のしてることが誰にもできない超人的行為に想えて、
スーパーヒーローに見えてたまらなくなった。