のび太『時間だ。これでもうしばらく音も通らなくなると思う』
のび太『ああ、何が間違ってるのかは自分で考えてね』
のび太『僕みたいに』
のび太『それとドラえもんに言っておいてよ』
のび太『ポンコツでありがとうって』
ドラえもん「ここまではママたちも知ってるかな」
ドラえもん「どこで覚えたのか、のび太君は道具を使って日を追う毎に押入れを強化していった」
ドラえもん「あの後ママは考えてたのかな」
ドラえもん「それとも気にせずにいた?」
ドラえもん「……今となってはどうでもいいことだね」
ドラえもん「ここからは僕もしらなかったところなんだ」
ドラえもん「頑張って自分でタイムテレビを改造してやっと最近分かったところ」
ドラえもん「のび太君の、押入れでの生活のところ」
……今、何時だろう。
相変わらず暗い押入れを起動したまま放置されているパソコンの光だけが虚しく照らす。
この間ドラえもんがセキュリティを破ったのはどれくらい前だった覚えていない。
ただ、起きてご飯を食べて寝るだけの生活だったのが最近は一つやる事が見つかった。
アニメを見ることだ。
昔はあんなものと思っていたけれど、素晴らしいではないか。
現実の、あんなクズどもとは違う。
アニメではどんなにゴミみたいなキャラクターでもちゃんと役を担っている。
この趣味を持ち始めてからは世界が広がった。
それまでは押入れだけが世界の全てであり、僕の全てだったんだ。
僕が無為に過ごしてきた青春時代も補うどころか人並み以上に満喫したと思う。
自分と同じ位の年齢の作品を見るとそれだけで共感し、満ち足りた気分になった。
今はしずかちゃんへの好意も醒めて、2次元のキャラクターに好意を寄せることができる。