誘導尋問してくる車のアンケート
時給5000円
肉体危険度0 精神危険度10 楽しさ80
大学のベンチに座ってたら、突然身なりのいいおじさんに話しかけられた。
「(誰もが知ってるカーメーカー)の○○と言います。いま、若者の車のニーズについて調べてまして、、。」
正直、車に興味は無かったが応じることにした。
「車は持ってる?」
「中古のハイゼット持ってます。(海釣りで前泊したり山登りやキャンプ道具満載にしてた)」
「渋いね!なんでハイゼットなの!?(興奮)」
「あ、寝るのに便利だし、、」
「寝るの!?誰と??」
「え、いや、、」
「彼女いるの?」
「いや、いません、、」
「彼女いたらさ、車で一緒に寝たい?」
「(うわあ、、こいつやばいぞ。逃げよう。)」
「実は、当社でこんな車考えてるんだけど、君が『したいこと(強調」』できそうかな、、?」
「(えっ、、本物の社員??)」
「ところで、どうして車で寝るのかなあ?」
「(意思疎通できてねーよ!)あ、金がないからとか、、?」
「そっかあ~、、ほかにない?」
「えっ、、、」(以下、彼の望む言葉を引き出すまで延々と続く)
折れた俺が妄想のジゴロキャラで対応すると、彼は名刺と五千円入りの謝礼と書かれた封筒を差し出して帰っていった。
名刺は本物だった。
カーメーカーの言う「若者のニーズ」なんて適当なんだなあ~、と思った。
謎の食べ放題イベント
時給0円 食べ放題
肉体危険度0 精神危険度50 楽しさ-30
欲しかったテントを衝動買いして、金がなかった俺はその日食うものにも困っていた。
そんな時、大学であるチラシを見つけた。
「新入生だけの無料パーティ!ビュッフェ食べ放題!おしゃれしてきてね」
みたいなクソださい文面が載っていたが、食べ放題無料という所に惹かれてすでに三年生になっていた俺は一人で突撃した。
場所は都内のめちゃくちゃおしゃれなビル、の地下のカビ臭い倉庫。
なぜ倉庫?と思いながらも入場。新入生限定とのことだったが、ノーチェックで入れた。
倉庫には申し訳程度のDJブースと、全然イケてないコンパニオンがガムを噛んでいた。
周りには、入学式から直行してきたような新入生達がそれなりにガヤガヤしていた。
いちおう、「クラブイベント」風を目指しているのは分かったけど、本当にクラブ遊びしてそうな人々は一人もいない。
あのダサいチラシを見て「行ってみようかな~」と思うような人々なのだから、俺を含めて挙動不審に地下倉庫をウロウロするしか能のない人々ばかりだった。
お目当てのビュッフェは、焼きそばやコロッケなどの親しみやすい茶色中心のメニューばかりで非常に助かった。ここぞとばかりに食いまくって、満足して帰ろう
と思ったが、デカい黒人のセキュリティに「NO NO スティヒアー」って感じで止められた。
その時点で、ようやく「やべえ~」って思った俺は、ようやく周りの赤の他人に話しかけた。
「ねえ、ねえ、ここつまんないし、もうお腹いっばいだから、いま帰ろうとしたら、、。」
「僕もなんですよ!やばくないすか?」
「、、。」
「、、。」
すると、異様に黒い三十代くらいのチャラい男が、ぎこちない会話をする俺らにマイクを突きつけてきた。