のび太「うん。先生になって、授業じゃ学べないような、僕じゃなきゃ教えられないようなことを教えたいんだ!」
スネ夫「そうか~のび太が先生か~すごいじゃないか!!」
ジャイアン「まずは授業できるようにならないとな!」
しずか「ちょっとたけしさん!でも目標が決まってよかったわね、のび太さん。」
ドラえもん『よかったねぇ、のび太くん……!!』
のび太「……ら……もん」
スネ夫「どうした?のび太?」
のび太「……ド……ラえ……もん」
ジャイアン「えっ?ドラえもん?」
しずか「ドラちゃん?」
のび太「……はっ!そ、そうだ。ここにはけじめをつけに来たんだ。」
ジャイアン「さっきから気になってるんだけどそのけじめってのはなんなんだよ?」
のび太「ここはね、僕がドラえもんに最後に道具を借りた場所なんだ。」
スネ夫「そうだったのか……」
のび太「だから、ここにはドラえもんへのお礼を言いに来たんだ。」
しずか「……」
のび太「ドラえもん、僕、やっと少し大人になれたんだ。」
のび太「ドラえもんがいないってことを受け入れられなくて、二年前に言えなかった、ありがとうを言えるくらいにね。」
のび太「今の僕なら、分厚い壁にも一人で立ち向かえるし、もし一人でダメでもここにいるみんながいる。」
のび太「それも、みんな君のおかげだよ。だからね……」グスッ
のび太「ドラえもん、今まで、ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
「――」
「―」
二十二世紀に、そして、ありがとうを言えなかった二年前にも届くくらい大きな声で、のび太は叫んだ。
…………
……
ドラえもん「……?」
セワシ「どうしたの?ドラえもん?」
ドラえもん「ここはね、のび太くんに最後に道具を貸した場所なんだ。」
セワシ「えぇっ!そうだったんだ!!ところで何を貸したの?」
ドラえもん「空気砲さ。」
セワシ「えっ、じゃああのドラえもんが壊れても大事にとってある空気砲って……」
ドラえもん「さぁ!もう帰るよ!明日テストなんでしょ!?」
セワシ「うわぁ!押さないでよドラえもん!」
ドラえもん「……」クルッ
ドラえもん「……もう、大丈夫だね。」
Fin.