そして、今の自分の居場所が本当に正しいのか―。
ジャイアン「ほらっ、着いたぞ。」
のび太「着いちゃったね……」
のび太がインターホンを押そうか迷っていると、ジャイアンが押してしまった。
のび太「ちょ、ちょっと!僕まだなんにも考えてないのに!」
ジャイアン「ばっかやろう!考えてもの言ってどうするつもりだ!こんなときに心で語り合ってこその心の友だろうが!!」
のび太「かっこいいけどそれじゃ社会では生きていけないよ!」
しずか「……」
のび太「あっ……」
ジャイアン「よう!久しぶりだな、しずちゃん!こないだは俺を無視してのび太にしか声をかけなかったがぜんぜん気にしてないぜ!」
のび太「それ気にしてるって言ってるようなものだよジャイアン!」
しずか「……前に言ったことなら悪いと思ってるわ。ごめんなさい。私みたいな嫌な子、もう嫌いになったでしょう?だからもう構わなくていいのよ。」
のび太「そ、そんなこt……」
ジャイアン「ふざけんな!」
のびしず「「!?」」ビクッ
ジャイアン「俺は今みたいなしずちゃんはっきり言って嫌いだよ!でもな、のび太はまだ友達だと思ってる。何年会わなくっても、どんなに変わっても友達だと思ってんだよ!
それでもしずちゃんは上辺だけ友達のフリしてるようなやつらの方が大事だっていうのかよ!?」
しずか「……」
ジャイアン「じゃあ俺はムカついたから帰る。のび太、あとは勝手に話し合いな。」
のび太「……」
しずか「……」
しずか「……ねぇ、のび太さん。」
のび太「な、何?」
しずか「学校で一人ぼっちって、どんな感じなの?」
のび太「……」
しずか「ち、違うの!からかってるとかそういうのじゃなくて……」
のび太「わかってるよ。しずちゃんに怒られてから改めて考えてみたんだけど、もしかしたらしずちゃんみたいな生き方の方が正しいのかもしれないね。」
しずか「えっ?」
のび太「だってさ、僕は高校入ってから一人ぼっちで、忘れ物した時に借りる人もいないし、しずちゃんみたいに遊びに行く人もいないんだ。」
しずか「……」
のび太「でもさ、僕にはできないんだ。」
しずか「……?」