少女(あ……!!目が合っちゃった!?)
男(俺のこと気にしてるのかな……?それとも……)
少女(はぁ……もういや……なんでこんな気持ちにならなきゃいけないの……?)
少女「早く降りたい……」
男(俺、嫌われたのか?)
運転手「ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がりなさいませんよう、お願いいたします」
運転手「次は、高校前―――」
少女「……」
男(あ……)
少女(いってらっしゃいって言ってくれないのかな?)
男(なんて声をかけたら……)
運転手「……」
少女(馬鹿……)
少女「すいません、降ります」
運転手「停車いたします。ご注意ください」
少女(いってきます……って言いたかったのに)
男(いってらっしゃいって言えなかった……)
運転手「ドアが閉まります」
少女「……」
男「……」
運転手「発車します。ご注意ください」
―――女子更衣室
女子高生「今日だね!やったね!!」
少女「う、うん……」
女子高生「なに?嬉しくないの?先輩ってかなり競争率高いから自慢になるよ?」
少女「いや……別に自慢したいわけじゃ」
女子高生「もう可愛いんだから、もっと自信もたなきゃ、ね?」
少女「う……うん」
女子高生「ほらほら、もういくよ?」
少女「あ、待ってよ」
少女(嫌なわけじゃない……先輩は面倒見もいいし……優しいし……きっと彼氏になってくれたら嬉しいと思う)
少女(だけど……なんだろう……違う……先輩はなんか違う……)
少女「もう……わかんない」
―――街
男「さてと……どこに行こうか……」
男「今日は雑貨とかそういうお店を探してみるか」
男「本とか電化製品もいるときがあるだろうしなぁ」
男(ふう……はぁ……やっぱり俺、あの子になんか言ったんだろうな)
男(ああいう年頃は、何気ない一言で傷つくし……・)
男(俺もそうだったしなぁ)
男(はぁ……まあ、いいか)
男(彼女いない歴が人生とイコールで童貞の俺が、高校生の女の子と仲良くなれるわけねえんだし)
男(そうだよ……どうせ無理だったんだ)
男(変な期待してたんだな……俺)
男(はぁ……すげえ泣きたい……)
―――正午 高校 体育館
部員「「お疲れさまでしたー」」
先輩「あ、ちょっと」
少女「あ、はい?」
女子高生「おお。ガンバ!」
少女「もう……」
先輩「校門のところで待ってるから」
少女「は、はい」
先輩「バスに乗り過ごすと大変だから、遅れないようにな」
少女「わかり、ました」
先輩「……」
少女「……なにか?」
先輩「いや。じゃあ、楽しみにしてるから」
少女「あ、はい」
少女(私は……どうなんだろう?楽しみ、なのかな?)
―――校門
少女「お、お待たせしました」
先輩「じゃあ、行こうか。そろそろバスも来るし」
少女「は、はい」
先輩「どこか行きたいところってある?」
少女「え、いえ……別に……」