ちなみに織部焼以外の備前焼や珈琲カップも親父さん作だった。
料理が好きでそのうち自分の料理を飾る器も自分で作るようになったらしい、
嫁宅の食器の殆どが親父作だって
粗暴というか無骨だけどこういう人は嫌いじゃない、
自分の手で何か作る人は無条件で好感もつのが俺
そこから暫く親父さんの器への情熱というか執念をご拝聴した。
親父さんは調子にのってくると肩バッシンバッシン叩いてくるけど、
まぁ親しみの表現なんだろうと思うことにした
ひとしきり器の話を拝聴した後に親父さんがちょっと来いよっと例の居間へ案内した
2年前に親父さんに殴られた居間に通されて親父さんとふたりっきり、
前と違うのは親父さんはもう睨んでないこと
嫁が二人分の珈琲を親父さん作の珈琲カップに入れてもってきてくれた。
親父「嫁、お前ちょっと席外しなさい。俺くんと話あるから」
俺くん?俺くん?親父さんさっきまで「お前」って呼んでたのに。
これはちょっとただ事ならないと背筋のばした
親父「俺くん、最初に会ったとき君の話も聞かず大変失礼なことした。
親父「誤解とはいえ一方的に殴り怪我もさせてしまった申し訳ありませんでした。」
と親父さんが頭下げた。
俺の中では今日の食事のことで親父さんへは何のわだかまりもない
むしろ面白い人だなと興味が湧いてきている
俺「いえ、もうそのことは終わったことですし気にしてませんので」
俺「今日は本当に招待してくださりありがとうございました」と頭下げると母親が入ってきた
母「なにやってるのあなた達w」
それで終了だった。その後は親父さんと母、嫁交えて穏やかに話が進み
嫁を捨てた元カレ呼びつけた親父さんのお仕置きに軽くドン引きして、
自分も気をつけようと再認識したり
親父さんは嫁にはてんで甘くて本当に可愛がってるのが垣間見えたり
久々の家族の団欒?を味わった。