彼女にその旨メールすると
「夕飯は七時頃だからその頃に来て」
と返事があった。
俺は七時ちょっと前くらいに彼女の家に着いた。
家には彼女のご両親と彼女がいた。
居間に通されると
五人分の夕飯が並んでいてテレビがついていた。
両親と、彼女と、彼女の姉と、俺のぶんと五人だなと思った。
でもまだ彼女の姉が揃わないうちから夕飯がはじまった。
俺が
「お姉さんは今日はまだお帰りにならないんですか?」
と目の前の父親に訊くと
父親は「私は他人なんでわかりません」と言う。
俺が「?」と思っていると、彼女が横から
「この人はうちのお父さんじゃなくて、他人だから」
とにこにこしながら言った。